メディア・クライアント・消費者の三方良しじゃないと、これからのスポンサードコンテンツは生き残れない
こんにちは、藤本(@Kentaro_Fujimo)と申します。
このエントリは、ヨッピーさん著「明日クビになっても大丈夫!」の紹介連載エントリ第9回です。
ただ、それぞれのエントリは完全に独立しているので、このエントリだけでも十二分に楽しめます。
もちろん、他のエントリだけでも十三分に楽しめます。他のエントリも載せておくので、気になるテーマがあったら読んでみてください!
第1回 数字を報告するだけの会議ならさっさと撤廃したほうがいい
第2回 会社員が満員電車に揺られながら通勤するのは「お金」のためじゃない
第3回 スターは自身の「下積みの努力」を公にさらすべきなのか?
第4回 人はこれから、”人”で住む場所を選ぶようになる
第5回 ハチャメチャやってる人も実はみんな頭脳明晰で、多少なりともキャラを「演じている」部分がある
第6回 ブロガーやライターは「書くこと」自体を専門にしてしまうと、末路はだいたい「金太郎飴」になる
第7回 個人が認知度を獲得していくにあたり、「二つ名」的なものが必要な理由
第8回 「消費型」から「生産型」へ。趣味を発信することによる3つのメリット
今回のテーマは「これからのスポンサードコンテンツについて」です。
「スポンサードコンテンツ」については、タイアップとか企業案件とか広告記事とか記事広告とか、色々と名称はありますが、今回は「スポンサードコンテンツ」で統一することにします。
ヨッピーさんの「スポンサードコンテンツ」への熱意
今回の本中で驚いたのは、ヨッピーさん(@yoppymodel)のスポンサードコンテンツに対する熱意。
ここまで作り込まれているからこそ、ヨッピーさんのスポンサードコンテンツは面白いんだなと納得しました。
例えば、自腹覚悟の豪華ゲスト招待の話なんかは、その典型です。
そんなわけでのんさんに呉市の魅力を語ってもらう記事を書いて、当然ネット上ではウケた。
ただし、これには裏側があって、「のんさんを連れてこよう」と思いついたのは僕が広島県から仕事を受注したあとの話なので、当然広島県からもらった予算にのんさんに払うギャラは含まれていない。
でもどうしてもの朝に出て頂きたかったので、広島県の担当の人に「なんとか追加で予算をください!」とお願いし、最悪「自腹を切ってでもお願いしよう」くらいに思っていた。
出典/明日クビになっても大丈夫!
なんというか、ヨッピーさんの書くスポンサードコンテンツって、「提供会社(クライアント)」じゃなくて読者の味方感」があるというか、「提供会社を手中に収めてる感」があります。
「この記事中のどこでクライアントの紹介してるんだ!?」ってくらい、ヨッピーさんのスポンサードコンテンツには広告らしさを感じません。
そんな「宣伝よりも面白さ重視」の姿勢だからこそ、ヨッピーさんの書くスポンサードコンテンツは毎回バズるんだと思います。
バズるからクライアントの認知拡大にもつながって、ヨッピーさんに次の仕事がやってくるという好循環。
「スポンサードコンテンツ」を作る際の優先順位
ちなみに「宣伝よりも面白さ重視」の姿勢に関しては、ヨッピーさんはスポンサーコンテンツを書く際の、幸せにする優先順位として①読者②取材先③クライアントと明言しています。
クライアントとの打ち合わせのときでも、ハッキリと言うそうです。
逆に言えば、一般的なスポンサードコンテンツって、優先順位の①が「クライアント」になってるから、嫌われているのかもしれません。
嫌いとまではいかないですが、特にぼくが悲しくなるのは、YouTuberの方々のスポンサードコンテンツです。
なんというか、動画から漏れ出ている「クライアントに従ってる感」が、どうしても拭いきれません。
特にYouTuberの方たちは視聴者との距離感の近さが一つの魅力なので、普段自由気ままにやっている面白さが人気だったYouTuberが、スポンサードコンテンツになった途端にかしこまってしまう感じが、なんとも残念に感じてしまいます。
宣伝を意識するあまり、企画の流れが不自然になった瞬間、「面白さ(視聴者)よりも宣伝(クライアント)を優先するんかい!」という思いが、僕たちの落胆につながるんてしょうね。
最近面白いなと感じるスポンサードコンテンツの作り手
ただ、最近YouTuberの中でも「面白いスポンサーコンテンツだな」と思う人が増えてきて、東海オンエアさんとかは面白いです。
最近UUUMへ移籍してスポンサードコンテンツの頻度が上がっていますが、毎回その抜群の企画力でバッチリ面白くしてくれます。
他にYouTuber以外ですごいなと思うのが、最近飛ぶ鳥をはたき落とす勢いのゆうこすさん(@yukos_kawaii)。
なんと驚くことに、ゆうこすさんのインスタグラムでのスポンサードコンテンツは、普段の投稿よりも「いいね」の数が多いんだとか。
これはゆうこすさんが、普段の投稿以上に「どうしたらファンに喜んてもらえるか」「クライアントの商品の魅力を全力で伝えたい!」ということを練りに練ってるかららしいです。
これからのスポンサードコンテンツ
でも逆に、これからのスポンサードコンテンツはこれくらいまで考え抜かれたものじゃないと、生き残らないのかなとも思います。
最近はSNSの浸透で、今までだと一般人として埋もれていたかもしれない人が「インフルエンサー」として台頭することが増えてきました。
そんな人たちの一つの収入源がこの「スポンサードコンテンツ」なわけですが、「宣伝したらお金もらえる」くらいの安易な発送で適当にやっていると、インフルエンサーが増えた分、速攻で淘汰されそうです。
事実、最近は色々なツールなどを駆使して、クライアント側も「本当に影響力のあるインフルエンサー」を見極めようとし始めています。
そんなときに最後まで残るのは、やはり「徹底的に考え抜かれたスポンサードコンテンツ」と、それを作るヨッピーさんや東海オンエアさん、ゆうこすさんのような方たちだなと思います。めちゃくちゃ上から目線ですいません。
P.S
あと個人的な思いとして、別にしょうもないスポンサードコンテンツを作った「人」が淘汰されるのは全く構わないです。
ただ、そのために消費者からスポンサードコンテンツ「自身」が淘汰される(嫌われる)のは、どうにも避けてほしいなと感じています。
というのも、「5年後、メディアは稼げるか」や「新しいメディアの教科書」を読んで、「これからのメディアの稼ぐ一つの形は、スポンサードコンテンツだ!」と胸高鳴った日のことを、今でも覚えているからです。
メディアのビジネスモデルとして「広告」や「サブスクリプション(=定額課金)」がどうにも先行き不透明な中、「スポンサードコンテンツ」はそんな暗闇に一つの光を差しこんだ救世主のような感じがしました。
そして今、そのメディアの「スポンサードコンテンツ」によるマネタイズは、一つ正念場を迎えていると思います。
「スポンサードコンテンツ」によるマネタイズのメディアとして名を上げた「バズフィード」は、最近知らない間に記事中に普通の広告が挿入されていました。(=広告によるマネタイズ)
今までは記事中に広告がなかった(少なかった?)ことが一つのウリだったし、特にこれに関するプレスリリースも出てないので、どうしたものかと見ています。
※僕が見落としているだけの可能性もあるので、もし何か知っている方は教えてください。
バズフィードは新しいメディアの形だ!とかなり興奮して注目していたので、今後の行方には目が離せません。
ということで、どういったスポンサードコンテンツが生き残るかよりも、安易に仕事を受けてしまったインフルエンサーによって、安易なスポンサードコンテンツが大量生産されてしまい、スポンサードコンテンツが消費者に嫌われて、スポンサードコンテンツ自体が生き残れるかどうかが若干不安な、今日この頃です。
スポンサードコンテンツによって、
インフルエンサー→お金を稼げる
クライアント→宣伝ができる
消費者→普段より手間とお金がかかって、より面白いコンテンツを楽しめる
という、「三方良し」な循環がもっともっと回ってほしいです。
というか、僕もその循環に入りたいぞ!!!
ヨッピーさんのスポンサードコンテンツへの熱意、この本でもっと感じ取れます↓
Kindle版↓
僕の最近のツイート↓
やっぱり思考の言語化は大切だな。その過程で得られるものが大きい。教えるのが一番の勉強と同じ原理。言語化で規定することによる、思考の膠着化という危険性もはらんでいるけど、その懸念点を差し引いても、やっぱり考えていることを言葉に変換するメリットは大きい。
— 藤本けんたろう (@Kentaro_Fujimo) 2017年12月7日
田端さんのこの記事はマジで慧眼。「広告とは?」という定義を大幅に拡張する、まさに目からうろこの記事だった。思わず僕も、当時はこの記事の感想だけで、ブログ一本書いてしまった。。
— 藤本けんたろう (@Kentaro_Fujimo) 2017年12月7日
有料アプリ使用して広告ブロックする時代に際立つ、「Amazon Dash Button」の異様さ。 https://t.co/qV5pKpBZ7d https://t.co/uyH9HYJmJV
記事キュレーションブログもやってます↓