ブロガーやライターは「書くこと」自体を専門にしてしまうと、末路はだいたい「金太郎飴」になる
こんにちは、藤本(@Kentaro_Fujimo)と申します。
このエントリは、ヨッピーさん著「明日クビになっても大丈夫!」の紹介連載エントリ第6回です。
ただ、それぞれのエントリは完全に独立しているので、このエントリだけでも十二分に楽しめます。
もちろん、他のエントリだけでも十三分に楽しめます。他のエントリも載せておくので、気になるテーマがあったら読んでみてください!
第1回 数字を報告するだけの会議ならさっさと撤廃したほうがいい
第2回 会社員が満員電車に揺られながら通勤するのは「お金」のためじゃない
第3回 スターは自身の「下積みの努力」を公にさらすべきなのか?
第4回 人はこれから、”人”で住む場所を選ぶようになる
第5回 ハチャメチャやってる人も実はみんな頭脳明晰で、多少なりともキャラを「演じている」部分がある
今回のテーマは、ヨッピーさん(@yoppymodel)が本中で「稼げずの谷」と呼ばれているものについてです。
「稼げずの谷」とは
「稼げずの谷」というのは、「起業したはいいものの、仕事が少なかったり単価が安かったりで、どんどんとサラリーマン時代の貯金を切り崩していく期間」のことを言うそうです。
今回、意外だったのは、この「稼げずの谷」の話の際に、ヨッピーさんがとあるブロガーの方々を批判していたことです。
別に個人名を挙げていたわけではないですが、だいたいああ、あの人たちのことだろうな、と顔がパッと浮かぶくらいには、強烈にディスっていました。
そのディスり模様は、コチラです。
「サラリーマンを辞めてブログ一本で生活します!」「僕はブログで自由に生きるんだ!」みたいな人達が最近はちらほら出てきていて、
「僕は自由です!」「満員電車とはおさらばダ!」「サラリーマンなんてくそくらえ!」みたいに調子こいてる人達がいるのだけど、
そういう人達はみんな「今月はいくら稼ぎました」とか「こうして稼げるようになりました」みたいな記事、そしてアフィリエイトのリンクをずらずら並べた記事ばかりを書き、
「ブログで稼げるコツを教えます!月に5000円から!」みたいな事を言い出すのは単純にそういう記事を書いて信者を作り、信者からお金を巻き上げないと生活が出来ないからだ。
型にハマるのを嫌ってサラリーマン辞めたのに、今度は「ブロガー」という型にハマる。チンカスみたいな話である。
(改行は僕が勝手にしました)
要は「会社の呪縛から自由になるってブロガー始めたのに、今度はブロガーの呪縛にハマってるじゃねえか!」です。
(最近僕が響いたツイート↓)
「八百屋はお客さんに野菜を売りますよね。でもブロガーはブロガーに向けて商売する人が多くて、もったいない。」
— 平岡 雄太@DRESS CODE. (@yuta_black) 2017年9月30日
ayanさんの言葉は等身大だけど本質的で共感できる。#ブロフェス2017
ヨッピーさんがこの類のブロガーの方々を嫌っていたことは意外でしたが、(同じ書き手として応援しているのかと思ってた)しかしこの批判のおかげで、僕のモヤモヤも解消されました。
僕のモヤモヤした感情は、ヨッピーさんのディスりで解消された
というのも、昨今はヨッピーさんもしかり「好きなことで生きよう!」という言説が浸透してきていますが、これを自分(僕)に置き換えた時、いくら自分が書くのが好きでも今Twitterで見かける多くのブロガーは何か違う感が、僕の中にもあったからです。
なんというか、皆さんだいたい書いてることが同じで、個性を感じにくいんですよね。
基本的には時事ネタを燃料として、あとは仮想通貨で資産運用。新しいサービスやアプリが出れば、我先にと言わんばかりにアカウント開設エントリを更新。しばらくしたら「少しやって見えてきた自分なりハック!」なるものを公開。
自分が好きなテーマならいいですが、あまりにも皆さん同じようなことばかり書くので、それって全員ホントに書きたいテーマなの?と疑ってしまいます。
僕がブログでやりたいこと
あとこれは僕の個人的な好みもありますが、この「世間の流行に媚びてる」感が、僕はイヤです。世間の流行に乗るくらいなら、自分が世間の流行を作りたいです。
(僕がトレンドに安ノリしない決意を固めたエントリ→ターゲット層は「レベルが高ければ高いほど良い」というわけではない、という話。)
今めちゃくちゃカッコいいことを言いましたが、これは僕が今学生で、別にブログで稼がないと食いっぱぐれる状況にないから言えるわけであって、pvやseoが是が非でも必要になったら、書かざるを得なくなるかもしれません。
要はここに関しては、僕の無駄なプライドかもしれないということです。
「無駄な」プライドを保つために
ただ、逆に言えば「ブロガーの専門家」というか、「書くこと」自体を専門にしてしまうから、結局は時事ネタや駆け出しライターのコンサルに傾倒せざるを得なくなるわけで。
何より「純粋なライターorブロガー」というのは、ドロドロのレッドオーシャンすぎます。
そうやって将来のことを考えたとき、僕だって自分の好きなことを書きつつも、食べていくための収入は得ていくために、最近は「ライティング×〇〇」になるもう一つの柱の必要性を痛感しています。
「ライティング×◯◯」のかけ算になるものが必要だ!
こうすればライティングで自分の好きなことを書いた上で独自性や面白さがあるし、もう一つの軸からの収入があるので、心理的にも腰を据えてものを書くことができます。
ヒントになったのは、NewsPicks編集長である、佐々木紀彦さんが書いた本「5年後、メディアは稼げるか」にあった、「記者が書いた金融記事より、実際に金融機関で働いている人が書いた金融記事の方が面白い」というような(感じ)の話でした。
これは確かにそうです。今は誰でも発信するメディアがあるし、現場の人の話の方が、最先端でリアルです。
キンコン西野さんのブログや最所あさみさんのnoteなどは、僕の今思い描いている書き手としての一つの理想形です。
今回のテーマの本当の論点?
まあしかしこれは、どっちが良いとか悪いではなく、「何を優先するのか」という、かなり普遍的な話でもあります。
最近記事になっていたオリラジ中田さんの話が、かなり良い具体例かなと思います。
自分が一番優先したいことに対して、それ以外は「切り捨てる」。
— 藤本けんたろう (@Kentaro_Fujimo) 2017年11月19日
中田さんにとっては、それが「みんなに楽しんでもらうこと」だった。そのためなら別に漫才でなくても、パクリネタでもダンスでも何でもいい。
オリラジ中田敦彦『PERFECT HUMAN』発表までの無駄な10年 https://t.co/3ayWCmCHoW
これを今回の話に置き換えると、冒頭に上げたブロガーの方々は「ブログで生計を立てること(内容は市場ニーズに従う)」、そして僕は「好きなことを好きなように書くこと(別にブログ自体でマネタイズは強制しない)」という、そこにあるのは優先順位の違いだけです。
と、その前に...
ただ、これは僕のライティング自体が面白くないとそもそも成立しないので、まずはこの1本目の柱を成立させます!
以上、起業後の「稼げずの谷」の話から派生した、現時点で思い描く僕の将来像についての話でした。
第7回はコチラ↓
第1回 数字を報告するだけの会議ならさっさと撤廃したほうがいい
第2回 会社員が満員電車に揺られながら通勤するのは「お金」のためじゃない
第3回 スターは自身の「下積みの努力」を公にさらすべきなのか?
第4回 人はこれから、”人”で住む場所を選ぶようになる
第5回 ハチャメチャやってる人も実はみんな頭脳明晰で、多少なりともキャラを「演じている」部分がある
第6回 ブロガーやライターは「書くこと」自体を専門にしてしまうと、末路はだいたい「金太郎飴」になる
第7回 個人が認知度を獲得していくにあたり、「二つ名」的なものが必要な理由
第8回 「消費型」から「生産型」へ。趣味を発信することによる3つのメリット
第9回 メディア・クライアント・消費者の三方良しじゃないと、これからのスポンサードコンテンツは生き残れない
第10回 演者にとっての「神様」は誰か?そして誰から対価をもらうべきなのか?
第11回 会いたい人には会った方がいいのか?いや僕はそうは思わない
本中では、ヨッピーさん命名「稼げずの谷」についてもっと詳しく書いてます↓
Kindle版↓
僕の普段のツイート↓
「一般人と有能な人だと、どちらがより一般人の気持ちを汲み取れるか」という議論で、僕は7:3くらいで前者の方が共感や人気を得られると思ってたけど、もしかしたらこれはほぼ、0:10なのかもしれない。ちきりんさんやヨッピーさん、キンコン西野さんの市場を読む鋭さを見てそう思う。
— 藤本けんたろう (@Kentaro_Fujimo) 2017年11月25日
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