今回のしおたんさん記事は「塩谷のメディアをはじめからていねいに」で書籍化すればいいと思う
こんにちは、藤本けんたろうです。
一昨日に公開された、しおたんさん記事がすげー面白かったので(読者としてもメディアに興味ある人としても)、まとめておきます!
■「ライターになりたい!」というニーズが急増する今。労働集約型モデルを、どう変えていく?
有言実行。
今回のミリューさんの記事、内容以外でも勉強になることが多すぎる…!
— 藤本 けんたろう (@Kentaro_Fujimo) 2018年3月23日
まずIDENTITYさんが広告記事を依頼するタイミング。クラファンの認知という目的から逆算されてる。
そして記事の構成は、最近定着した本の無料公開のイベント版のようだ。
書き出したら止まらないから、この土日でブログ書く。
目次
- 1.IDENTITYさんの記事広告を依頼するタイミングが秀逸すぎる
- 2.記事の構成が秀逸すぎる
- 3.「好きなこと」を仕事にすると稼げない?
- 4.「メディア」という言葉の危うさ
- 5.ライター天井がすぐに見えちゃう問題
- 6.ライター(メディア)の稼ぎ方
- 7.稼いだお金でなにをする?
1.IDENTITYさんの記事広告を依頼するタイミングが秀逸すぎる
最初の2項では、記事の中身にはあまり入りません。外側から、褒めまくります。
まず、記事の登場人物を見たとき、
「あれそういや昨日から、タイムラインでIDENTITYさんをよく見かけるな」
と思っていたら、リリースしたクラファンプロジェクトの記事広告でした。
ちゃんと広報したいプロジェクトから逆算された戦略が、素晴らしすぎます。
僕のイメージだと、記事広告って単発の使い方が多いんですよね。「とにかくウチを広めてくれー!」みたいな。
でもどうせやるんだったら、今回のIDENTITYさんみたいに、プレスリリースと絡めた方が絶対に効果的です。
「あ、こうやって記事広告は活用すればいいんだ」と、すごく参考になるやり方でした。
2.記事の構成が秀逸すぎる
記事の「タイミング」の次は、「構成」が勉強になりました。
記事の最後の告知では、クラウドファンディングの手前に、IDENTITYさんとmilieuさんによる合同イベントの告知がありました。
そこでは「イベントの内容は、記事を深掘りしたものだよっ!」というつなぎ方になっていて、これは昨年から定着している「本の無料公開」を想起させました。
「イベントではこんなことを話します!今から記事でチラ見せするので、面白いと思ったら来てください!」という、すごくキレイな導線。。
記事でも、イベント告知の切り出し方が自然すぎて(どこから逆算されてたんだ…!?)、気づいたら概要欄に到着してました。
そして、(恐らく)イベントではもう一度クラファンのPRをするという、何重にも張り巡らされた戦略…!!スゴすぎる...!!
3.「好きなこと」を仕事にすると稼げない?
ここからは、具体的な記事の中身に入っていきます。
まずはやっぱり、「お金」の話。
「好きなことを仕事にしよう!」
という謳い文句が叫ばれて久しいです。
「やりたいこと(好きなこと)」と「できること」の二元論で話をするなら、僕も前者派です。
ただ、好きなことを仕事にできているがゆえに、「金銭的な対価を積極的に求めない」という事象も発生しています。
アニメとか漫画業界も多分、そうですよね。
当の本人は「好きなこと仕事にできて、且つ食うのにも困らない生活ができてる!」で満足だとしても、業界として長期的に見たとき、その状況はそれほど褒められたものじゃない...
ただ、これは別に今日明日で解決される問題でもないので、代わりにとある記事のURLを貼って終わらせます。
「お金を稼ぐマインド」に関する、すごくいい記事です。
みなさん、いっぱいお金を稼ぎましょう!!!
■「お金を儲ける事に遠慮してしまいます」という悩みに対するベストアンサーが秀逸
4.「メディア」という言葉の危うさ
次は少し違った視点からの、メディア業界の問題点。
(オウンド)メディアって、すごく良いですよね。
会いたい人や気になるニュースがあれば、「取材させてください!」の一言で会える(かもしれない)。
「オウンドメディアは社交ツールとしても有効ですよね」
という、記事中にあったしおたんさんの言葉は、正鵠を射ていると思います。
でも僕自身、「取材させてください!」というある意味では魔法の言葉をとなえる度、しおたんさんのとあるブログを思い出すのです。
当時すごく炎上したらしいので、あえてタイトルとURLは伏せますが、要は
「メディア(受け取り手と発信者の媒体)になれないくせに、メディアを名乗るなー!」
という話です。単なる発信者のフォロワーでしかないのに、「取材です」「メディアです」と言って大きな顔をする。
いま自分でも書きながら、ものすごく胃が締め付けられてます。(メディアをもつ企業でインターンやってるので...)
でもじゃあ、影響力もお金もないメディアが、フォロワーの関係になってしまう方へ取材させてもらうには、どうしたらいいのか。
一つの答えは、先日のNewsPicks記事(※有料)にありました。編集者の宇野さんが、すごく良いこと言ってます。
『PLANETS』は今ほど知名度がなかった時代から、
結構有名な人が出ていると思うんですが、
それって単に丁寧に熱量の高いメッセージを送って突撃したからです。
丁寧な企画書を送り、
「いい媒体を作ろうと思っています。何とかご出演いただけないでしょうか」
とお願いしました
もう最後は、「愛」しかないんです。「時間」と言い換えられるかもしれません。
「これだけあなたのことを取材したいんです!」
「これだけあなたのことが好きなんです!」
のメッセージに、どれだけの愛と時間を注げるか。
これは、まだなんの影響力もお金もない僕が、肝に命じていることでもあります。
(個人的には、もう少しだけ「学生です!」魔法の有効期限も残ってるんですが、あまり酷使したくない…)
5.ライター天井がすぐに見えちゃう問題
もう少し業界の死活問題を続けます。
項のお題通り、業界の死活問題は「ライターあんまり稼げない問題」です。
現状だと、ビジネスモデルとして貧弱すぎるのです。あまりにも労働集約型で、数こなして走り続けないと死にます。でも走り続けたら、死にます。
モリジュンヤさんはこの問題を、
「課金ポイントが少ない」
とも換言していました。
ここでは、しおたんさんとIDENTITYさんそれぞれの対応策を紹介しておきます。
a.しおたんさんの対応策→単価を上げる
私は「本数」じゃなくて「SNSで拡散されるだけの質まで上げる」ことに重きを置いたら、
単価が上がっていって、今では記事広告だと、
1記事40万円くらいはコンスタントにいただけるようになって、
個人的にはゆとりが出来たのですが
多分、最後の「個人的には」という接頭語には、「再現性が高くないのが難点」という意味が含まれているのだと思います。
b.IDENTITYさんの対応策→関わる期間と工程を増やす
クライアントと経営目標を共有して、
通年のマーケティングを提案しながら、
長期で関わっていく案件が多いですね。
マーケティング予算を通年でいただいている中で、
記事制作にもお金を使っている
記事制作だけでなく、かなり上流から噛んでます。記事中では数千万規模の案件も受けることがあると言われていて、なかなか夢のある話です…!
と、ここまではライター、もしくはライターの本業としてメディア単体をいかにマネタイズさせるかについて話しました。
次の項では、メディアを活用して、いかに違うマネタイズポイントを作れるか、です。
6.ライター(メディア)の稼ぎ方
記事に出ていた具体例は、soarさん。
メディア自体は募金で運営しているのですが、実はsoarさんのライターは、その専門知識を生かして外の媒体で執筆の仕事を受けたりしています。
メディアは意見を主張する場としてピュアに運営し、そこが広告塔になって他から仕事が入ってくる、という循環です。
実際、しおたんさん自身もmilieu自体でマネタイズというよりは、そこを起点にしてvaluやnote、セミナーなどでうまくポートフォリオを組みながらやっている、という内容のnoteを前に読みました。
1番いま再現性が高いのは、このやり方かもしれないですね。
7.稼いだお金でなにをする?
ここが一番、読んでいて個人的にハッとなりました。
ぼく自身、まだまだ発信者として年商2~3000万に収まるレベルにすら到達してないので、そこまで考えが及んでいなかったのですが…
仮に好きなことを仕事にして、食うのにも困らなくなった時、その先でどうするのか。
ぼく自身はまだ、具体的な想像までできてないのですが、例えばしおたんさんは、milieuというオピニオンメディアを立ち上げ、碇さんやモリさんは法人を作って事業や人への投資に回しているわけです。
小乗仏教的な考えでいくなら、ヒソヒソと個人で続けていればよかったものを、労力かけて次の取り組みにつなげているのです。
僕もはやく、そこまで視座を上げられるようになります。
...ということで、現状のライターやメディアの抱える構造的な問題から、その模範的な解決策に至るまで、全て詰まっていた今回のmilieuさん記事。
状況は刻一刻と変わるのでなんとも言えませんが、マジで今回の内容はメディア業界の参考書になるレベルです。
僕自身、今後のキャリアの方向性を考えるうえでも、すごく参考になる記事でした!!!
★日々のなかで感じたことをツイートしてます
成長するっていうのは、
— 藤本 けんたろう (@Kentaro_Fujimo) 2018年3月18日
「自分のスキルの最大値が上がること」
じゃなくて
「自分の当たり前の基準値が上がること」
なんだろうなーと思う。
「よっしゃー!完封できたってことは成長してるぜ」
じゃなくて
「去年は何とか5回2失点に収めようと思ってたけど、今年は7回1失点が悔しい」
みたいな。
「ゲノムは究極の個人情報である」っていう言葉の、本当の意味。
こんにちは、藤本けんたろうです。
先月末、大いにバズっていたこの記事↓
僕も読んで「すげー面白い!」ってなったので、早速、記事の著者の本を購入。
ゲノム解析は「私」の世界をどう変えるのか? 生命科学のテクノロジーによって生まれうる未来
- 作者: 高橋祥子
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2017/09/14
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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実際に本を読むと、内容はゲノムを始めとした生命科学がメインというよりも、それを具体例とした今後のテクノロジーと社会の在り方を考えることの方が、著者である高橋さんの伝えたいことかなと感じました。
なので構成だけは、そういった著者の意図を一応忖度したうえで作りました。
※ただあくまでも、このブログの内容は高橋さんの考えではなく、本を読んだ僕の勝手な解釈です!
目次
1.生物学の復習をしよう!
このトピックス以降の土台になる話です。理系とかでガッツリやってた方は、すっ飛ばしてください…
まずはキホンのキ。
a)DNA、遺伝子、ゲノム
これ、全部違うものなんですが、皆さん分かりますか?
僕もセンター試験を受けるときに頭に叩き込んだはずなんですけど、久しぶりに思い出そうとしたら、完全に混乱しました…
DNA・・・まずこれは、物質自体のことを指しています。皆さんもよく見たことがある、二重らせんのアレです。細胞の核の中にある、アレ自体をDNAとよびます。
遺伝子・・・DNAとの関係性としては、DNAの一部が遺伝子って感じです。すごい雑な例で恐縮ですが、DNAのあの二重らせんの所々に記述されている、「背を伸ばす」「二重まぶた」といったその人を構成する情報を指して、遺伝子と呼びます。
ゲノム・・・遺伝子は、DNAの一部でしかありません。つまり、DNAには他にも僕たちの体にとって、大事な情報が記述されているわけです。そういった遺伝情報の全てを指して、ゲノムと呼びます。DNAは物質ですが、ゲノムは情報です。
ここらへんに関しては、NHK高校講座の生物基礎が引くくらい分かりやすいです。僕も大学受験時代、これにだいぶ助けられました。。
もし新高3生(文系)が読んでたら、ぜひチェックしてみてくれ!!
次にキホンのホ
b)ゲノムワイド関連分析
この分析手法が、現在のメジャーらしいです。英語にしたときの頭文字をもって、GWASとも言います。
要は、従来の手法は「遺伝子の一本釣り」と呼ばれて、病気を持つ人と健康な人の遺伝子を比較して、「この遺伝子が悪い!」っていうのを特定して調べていました。
しかしそれだと効率が悪いので、「ワイド」関連分析の名の通り、新しい手法は一度に複数の遺伝子やスニップを調べます。
※スニップ・・・ゲノム上で、1塩基だけが他の塩基に置き換わったもの。塩基とは、AとかTとかCとかGのやつです。片方の人が「ATG」の並びでもう片方が「ACG」だった場合、真ん中のTとCが違います。この箇所をスニップと言います。
最後にキホンのン
c)セントラルドグマ
これは、体内の遺伝情報の流れを規定する、地球上の全生物に共通の非常に尊い原理です。
ここまでさんざんDNAのことを話しておいてなんですが、DNAは直接的に体内で何かをしているわけではありません。
実際に体内で機能しているのは、タンパク質です。タンパク質は、必要な場所で必要な量だけつくられますが、DNAとタンパク質の間に入ってその調節をしているのは、RNAです。
僕の好きな野球で例えるなら、監督である「DNA」が全体の大まかな指示を出して、コーチの「RNA」がその指示内容を具体例に落とし込みます。そして試合で実際に働くのは「タンパク質」、みたいな感じですかね。
この一連の流れを指して、セントラルドグマと言います。
2.高橋さんが代表を務めるジーンクエストは何やってるの?
ある意味、ここからが本題です。復習だけでも大分カロリー高かったな。。
この本の著者である高橋さんは、ジーンクエストという会社の代表です。
何をやっているのか、一言で言うと「ゲノム解析サービス」です。
印象に残っているのが、「遺伝子検査」とはまた別のものだよと、本中で高橋さんが仰っていたことです。
そもそも、日本語では"遺伝子"と"遺伝"は「≒」だと捉えられていて、"遺伝子"による病気や体質が、必ず次世代に受け継がれる("遺伝"する)と想像しがちです。
ただ実は両者は「≠」の関係で、英語でも"遺伝子"はgene、"遺伝"はheredityと、全く別の単語として扱われています。
具体的な違いは、各英単語を注意深く見ていくと分かります。
まず前者のgene(遺伝子)は、ギリシャ語の「生む」「生み出す」という意味の単語に由来します。つまり「きっかけ」です。
そして後者のheredity(遺伝)は、遺伝以外にも「相続」という意味で使われます。
確かに遺伝子(gene)は、その人の体質や疾患リスクへの影響を「生み出し」ます。ただ、もちろん決定的な要素になる場合もありますが、多くは「きっかけ」にしかなり得ません。
その上で、ジーンクエストが調べるものは、生活習慣にも影響される疾患のみです。
つまり、きっかけにしかならない遺伝子ですが、ジーンクエストで調べる疾患は、そのきっかけにすら、遺伝子単独ではなり得ません。(→生活習慣と関わってくる)
なので、ジーンクエストのサービスで「遺伝子検査」の言葉を使うのは、しっくり来ないのだそう。
それに加え、ジーンクエストでは特定の遺伝子のみを調べるのではなく、30万箇所のスニップ(他人と塩基配列が微妙に違う箇所!)を調べます。
遺伝子よりも広く調べるという意味では、ゲノムと呼ぶ方がより適切です。
まだ続きます。そうです、ここで終わってしまうとジーンクエストのサービスが「ゲノム検査」になってしまいます。でも、高橋さんは「ゲノム解析」だと仰っています。
検査という単語には、病気かどうかを判断するニュアンスが含まれています。
しかしジーンクエストでは、病気とは異なる体質も扱います。お酒が飲めなければ病気、というわけではないですよね。
ジーンクエストが行うのは、病気の検査でもなく、また医師による診断でもありません。現在の研究から分かっていることをそのままユーザーへと返します。その意味で検査ではなく純粋な解析、と呼んでいます。
具体的には、「あなたと同じスニップを持つ人は、ある病気に1.2倍なりやすい」みたいな感じです。
少し上でも書きましたが、この解析結果は、自分の生活習慣次第でいかようにもできます。
ジーンクエストとしては、具体的な数値を見ることで、行動を変えるきっかけにしてほしいと願っているのだそうです。
3.生物学と生命科学の違いとは
ここまで読んでくれた方は、皆さん偏差値が6くらい上がってるはず。でもそれは、生物学の偏差値です。
そうです、僕がここまで長々と話してきた内容は、基本的に知識です。言い換えると、記憶するもの。
皆さんがこれまで学校で習ってきたように、生物学では個別な事象の観察に重点が置かれています。
具体的には「この生き物にはこういった特徴があって、別の生き物には違う特徴がある。だからこの2種類の生物は、こういった生態の違いがある!」といった感じです。
一方で、ジーンクエストの事業内容も含めて、これから盛んになっていくのは生命科学の分野です。
生命科学とは、高橋さんの言葉をお借りすると、「生命に共通の法則性を解き明かし、それを活用する学問」です。
「法則性」のところだけ、もう少し詳しく見ていくと、法則性を見つけるとは、次の3つの特徴を満たすことなんだそうです。
- まずは現象を「再現」できること
- そして、まだ起こってない事柄を「予測」できること
- さらに、望んだ方向へ「変化」させられること
この「再現」「予測」「変化」の3要素を満たしたとき、それは法則になります。
僕は、この生命科学の定義について読んだとき、「ゲノムは究極の個人情報である」という言葉の意味が、少しわかったような気がしました。
この言葉、皆さんも聞くことがあると思いますが、ぶっちゃけ、僕はピンと来てませんでした。いや、アマゾンとかグーグルが持ってるデータの方が価値あるでしょ、と。誰が何を買って何を検索したかの情報の方が、みんな気になるでしょ、と。
でも気づきました。それらの情報って、実は全部「過去」のものなんです。
一方、法則性の要素である「再現」「予測」「変化」に照らし合わせて、めちゃくちゃ極端な言い方をすれば、ゲノムは「未来」の情報です。
何を買ったか、何を検索したかを「再現」して、何を買うか、何を検索するかを「予測」する。そして、何を買わせるか、何を検索させられるかの「変化」まで踏み込める余地があります。
どっちの情報が欲しいかと言えば、言わずもがなですよね。
ただ、この項のオチとして、現在ゲノムデータの保存先として業界トップ2を走っているのはAWSとグーグル・ゲノミクスであるという事実を、お伝えしておきます。
4.今後のテクノロジーと社会の在り方を考える
ここまではジーンクエストの事業を中心にゲノムとか生命科学の話ばっかりしてきましたが、最後はもう少し視野を広げて、「今後のテクノロジーと社会のあり方」について考えていきます。
僕、この類の話になるといつも思い出すのは、中学時代の数学の先生の話です。
その先生は、普段すげーチャランポランで、生徒からの評判もそんなに良くなかったんですが、ある時、ふと言ったその名言が、今でも頭の中に残っています。
いいか、この世の中にはな、危険なモノなんてないんだよ。
あるのは、危険なヒトだけだ。
包丁だって、本当はすごい色んな物を切れる便利なモノなのに、
危険なヒトが手にするから人を刺すのに使われる
この言葉、汎用性が高すぎて、今までのどの公式の覚え方よりも、スーッと頭に入ってきました。
今、テクノロジーの発展スピードは本当にすごくなっていて、もうとうに僕たちの頭で理解できるペースではなくなりました。
そして今後、ムーアの法則じゃないですが、その差はどんどんと開いていきます。
高橋さんは、その際に重要になってくるのは「過去から未来への流れを含めた議論」だと言っています。
言い換えれば、「今だけを見ていたらダメだよ」ということです。テクノロジーの進歩の速さに飲まれて、すごい狭い時間軸で目の前の現象を捉えてしまうと、本質からズレた議論になってしまいます。
例えば、自動運転の事故やスマートスピーカーが勝手にしゃべりだすニュースなど、その事象だけを見れば怖くなって、もう止めよう!っていう思いになるかもしれません。
しかしそこで、「過去から未来への流れを含めた議論」をしようとすれば、より建設的な議論につながります。「いつ(when)なるか?」はもう僕たちの頭では予測不能ですが、「どう(how)なるか?」はだいたい分かります。
いつになるかは分からなくても、自動運転車が町中を普通に走ってる風景や、家でスピーカーに向かって天気やニュースを尋ねるシーン自体は想像できますよね。
僕たちには、その「いつかは分からんけど、いつかはまあ、だいたいこうなるだろう」を念頭に置いた議論が必要です。
というかそもそも、テクノロジーを「抑え込もう」という発想自体が、無理ゲーです。テクノロジーが発展するのも、僕たちが世界の真理を追求しようとするのも、もうそれは世の理であり、人間の性です。
だったら「包丁をどうすれば製造中止に追い込めるか」ではなく、「包丁はどうすればうまく活用できるか、とうすれば危険なヒトの手に渡らないか」について、僕たちは考えていかないとなと思いました。
※センター試験・生物基礎82点の男が書いたブログなので、学術的な内容で認識の間違いなどがあれば、やさしく教えてください。。
最近の役に立ツイート
「テクノロジーは、人間を原点へ立ち返らせる」
— 藤本 けんたろう (@Kentaro_Fujimo) 2018年3月18日
っていうのは、最近だと「信用経済」の仕組みが顕著かなと思う。
信用をベースにした取引っていうのは、貨幣が普及する前は当たり前だったわけで。
その信用を可視化させて、かつインターネットを使うことで、地理の制約を受けなくなっただけの話。
東日本大震災当時、関西の中学生で完全に対岸の火事だった僕が、福島原発へ行ってきました
こんにちは、藤本けんたろうです。
※2年前に福島(原発も含む)へ行って、その際にnoteで書いた記事を転載したものです
日本、いや世界を震撼させた「3.11」の次の日、当時まだ中学生で、野球部だった僕は普通に朝から部活で練習をしていました。
部員との会話も「昨日東北ヤバかったらしいな」「〇〇は向こうに親戚がおるって嘘ついて、今日の練習サボってるぞ」とか、そんな感じ。集合時のミーティングでも、顧問は冒頭でちょこっと時事問題程度に触れただけでした。
今思えば大変恥ずかしいですが、関西に住んでいた、当時はまだ中学生だった僕にとっては、東日本大震災は対岸の火事どころか、火事そのものを聞き流そうとしていました。
そんな僕も様々な経験を通して月日を重ねる中で、福島、そして原発にいつまでも目を逸らすことはできないなと感じるようになりました。そこで今回、大学の授業の一環として、3.11から5年7ヶ月経った福島へ、初めて赴くことになりました。
視察場所は大きく2箇所。福島第1原発と、県内にある富岡町というところです。少しカッコよく言えば、オンサイトとオフサイトです。
福島第一原発(1F)
まずは福島第1原発(以後1F)を視察しました。皆さん、現在の1Fにどのようなイメージを持っていますか?「いろんな物が崩壊していて、手もつけられない状態」とか「全員が全身フル装備で、皆やつれた表情をしている」とか、そんなイメージですか?
豚キムチ定食、とても美味しかったです。ちなみにご飯は大盛り無料。
なんの話かと言うと、1Fで働く協力企業の方々に、温かいご飯を食べてもらいたいということで、東電が最近1Fの近くに日本最大規模の給食センターを作りました。そこで作られた出来たてホヤホヤのご飯が、毎日1Fへ運ばれてきます。
(ちなみに僕は写ってません)
これはほんの1例に過ぎません。東電の副社長である石崎さんは震災後、常に「まずは1Fを普通の現場に戻す」ことを念頭に置いていると言っていて、1Fの環境は日進月歩で改善されています。
他にも、全身フル装備は、特に放射線量の高い場所以外では要求されなくなりました。現在では、普段僕たちがつけているような、一般的なマスクや手袋で作業できる範囲が大半です。
また、放射線量も原子炉近く以外は落ち着いてきており、僕は車の中から1時間ほど1F内を回ったのですが、被ばく量は0.01mSv(マイクロシーベルト)。これって、歯科撮影をする際にレントゲンをするのと大体同じらしいです。
あと、肝心の廃炉作業についてですが、こちらも手探りの状態ながら、少しずつ進んでいるようでした。4号機の燃料取り出しが2014年に完了したのはニュースで聞いた人も多いと思いますが、それに続き今後は1.2.3号機も燃料取り出しを進めていくようです。
1Fの視察を終えて、感想を一言で表すなら、「あ、思ってたより前に進んでるな」です。
富岡町
その一方で、最近になってようやく時計の針が動き始めた場所もありました。2箇所目の視察の地、富岡町です。
この写真、何だかわかりますか?これ富岡町内にあった、お寿司屋さんの店内です。
お客さんが食べ終えたお皿が、震災当時から放置されていました。こんなのを見ると、「あ、ここはあの日から全然時間が動いていないんだな」との実感が、ふつふつと沸いてきます。
富岡町内を1時間ほど歩き回ったのですが、まだ誰もこの地域では生活していないため、道端では誰1人として出会うことができませんでした。
ただ、現在は誰も生活していませんが、富岡町は来年の1月に避難指示が解除される予定です。そして、避難指示解除を見据えて、あるコミュニティができていました。
看板の「交流サロン」という文字が見えますか?ここは、帰宅準備をするために他地域から富岡町に来た方の拠点として機能しています。
実際に中に入ってみると、いわき市などから来られた方、7〜8名がお茶を飲みながら情報交換をしていました。富岡町もようやくですが、時計の針が動き始めているようでした。
白石長利さん
また、今回の実習では現地視察だけでなく、現在、福島県内で農家として働かれている、白石ファームの白石長利さんにお話を伺う機会もありました。
白石さんは、震災当時、育てていた野菜が全て出荷停止になってしまうなどの困難を乗り越えて、現在、農業を通して様々な活動をされています。
例えば、「焼きねぎドレッシング」。これは、白石さんが開発したものなのですが、焦げ目が付くくらい焼いたネギと、生のネギを混ぜた、様々なネギの風味が広がるドレッシングです。
あと、白石さんはFacebookを通して日々の活動を公開しています。また、月額1000円から2000円くらいのお金を払えば、「白石さんちのCSA」というコミュニティに入ることができ、野菜を届けてもらえたりします。
先んじて課題に直面している福島
ところで皆さん、お気づきになりましたでしょうか?実は、白石さんがやっている「6次産業化」や「SNSやネットを活用した、見える化や物語化」って、これ別に福島に特有の話じゃないですよね。
どういうことかと言うと、僕たちは福島の問題について語るとき、「福島特有の問題」と「地方地域、もしくは日本全体の抱えている問題」をしっかり区別する必要があります。
さっきの「6次産業化」や「SNSやネットを活用した、見える化や物語化」って、実はこれは日本の農業全体の問題です。
他にも、震災後の福島の課題として上げられている「人口流出」は、全地方地域の問題だし、「農業や漁業の後継者不足」は、これは日本全体の問題です。
つまり、福島は地方地域や日本全体の抱える問題については、「課題先進県」なんです。他より一足早く、震災によって皆が抱える問題に直面することになった。
でも、だからこそ白石さんは6次産業化やSNSやネットの積極的な活用に行き着きました。他の地域が同じような課題に直面した時、福島はすでにもう1歩や2歩先に進んでいるでしょう。
お話の最後に、白石さんが仰られた言葉が印象的でした。
僕たちが知らない間に、福島はどんどん前へと進んでいます。
※これらの内容は、2016年10月当時のものです
★最近の役に立ツイート
「お金は信用を数値化したもの」
— 藤本 けんたろう (@Kentaro_Fujimo) 2018年3月9日
なんて言われるけど、逆にお金はその人を信用するか悩むコストを削減する道具でもある。
福沢諭吉を思考のリソース使わず信用することによって、今からお金払ってくれる眼の前の人に対しては、信用するかどうか悩まなくて済む。
ってオルトコイン作る社長が言ってた。
『おおきく振りかぶって』の舞台が最高だった
こんにちは、藤本けんたろうです。
僕、『おおきく振りかぶって』という漫画が大好きなんですが、それを原作にした舞台があるというので、1周間ほど前に観に行ってきました。
僕、舞台を観に行くのは初めてだったんですが、結論、チョー良かったです。チョー泣いちゃいました。
本当に申し訳ないんですが、観る前までは、「野球の専門的な箇所はあんまりこだわってないんだろうなあ」と高を括っていました。今まで見てきた、野球を扱った実写ドラマや映画が、そんな感じだったので。
今回は、全くそんなことなかったです。むしろ、最高でした。僕の予想はるか上をいく完成度でした。泣いてしまったというのは、ストーリーそのものもそうだったんですが、もう一つは、その完成度の高さに感動したものです。
まず驚いたのは、セリフの再現性の高さ。台本は、舞台用に再編集するかと思っていたら、原作と一言一句違わぬ台本でした。これが良かった。
『おおきく振りかぶって』って、『ワンピース』や『ナルト』と比べると、そこまでメジャーな漫画ではないので、わざわざ舞台を観に来る人って、よっぽどの原作好きか、もしくは誰か出演している俳優好きだと思うんですよね。
で、僕の肌感的には前者の「原作好き」が9割8分くらいだったんじゃないかと思います。講演後に発売されていた8000円の舞台DVD、めちゃくちゃ売れてましたもん。
あと他に「あっ、ここにはガチ勢が集ってるな」と感じたのは、劇場に流れる空気感の温かさ。しっかりとみんな原作を読み込んでるから、同じとこで笑えるし、同じとこで拍手できる。
堀江さんが言っていたように、「大人数でコンテンツを嗜む」っていう文化は、VRが発達しても残り続けるかもしれませんね。
話が逸れましたが、原作を何回も読み込んだ身としては、セリフが再現されてるのは大変興奮しました。劇を見ながら、漫画のシーンが脳裏で同時再生されてる感じ。
あとセリフの言い方とは、アニメの時と声の感じとかもすごい似てて、ここまで「原作とセリフが同じ」って点だけで、1000字弱も書いてしまいました。
あとは動きがキビキビしてて、音楽もあってテンポがいい。それに、「グラウンド」という表現の難しい空間を見事に劇場で再現されてました。それをするために、打ったバッターが真後ろに走ったりするんですが、そこに違和感を感じさせる隙がない、徹底的に作り込まれた場所でした。
あと、ボール取るときの音とかも「パシッ」って音が流れてきました。そして、最初に言ったけどセリフを忠実に再現してるから、野球の技術的な話もバンバン出てくるし、すごい元高校球児として上から目線になってしまうけど、投げ方とかバットの振り方も全然違和感ななかったです。
みなさん、ほんと血の滲むような稽古をされたんだろうなって伝わってきたから、なんかそれだけで泣きそうになりました。もう孫を応援するおばあちゃんかな?
あと、セリフが忠実に再現されてたって言いましたが、たまに入ってくるアドリブ?か独自の台本?のセリフも世界観を維持しつつ、それにプラスαでユーモアも乗っかってきて、最高でした。
とにかく、最高やった。
ちなみになんかこう、この興奮をそのまま同じ空間にいた見知らぬ人たちと、ある程度の人数で語れる打ち上げみたいな会があったら、面白そうだなと思いました。
テンション上がって、文が破綻してしもうたな...
原作も最高に良いから、特に少しでも野球かじったことある人は、すごい共感できる。この舞台化の盛り上がりを機に、同志が増えてほしい。。
※東京公演は先週で終了しました。大阪公演も新たにやってほしいわ。。
おお振り好き兼noteユーザーの方は、この記事も面白いはず。(手前味噌)
強い個人になりたければ、「悟空」ではなく「ルフィ」を見習え
こんにちは、藤本けんたろうです。
先日、箕輪さんと宇野さんのトークイベントに行ってきました。とても面白い2時間だったんですが、特に面白かった話を3つほどしたいと思います。
①宇野さんが見る、言論界1960~現在までの流行り
②ワンピースとドラゴンボールの違い
③言葉の功罪
①宇野さんが見る、言論界1960年代~現在までの流行り
これ、かなりマクロな視点で捉えられていて、すごく面白いなと思いました。お二人の共通の友人である「落合陽一さん」を軸に、このお話は進みました。
その中で、言論界の流れは1960年代は、左翼っぽい内容の言葉を、カッコよく言える人がスターだったそうてす。ちょうど大学闘争とかが熱かった時代ですね。
次の1970~90年代は、サブカルな内容をカッコよく言える人が、スターでした。時代背景としては、自分たちの力でなんとかできる!と信じていた1960年代が終わり、現実逃避をしたんだそうです。
そして2000~現代は、テクノロジーの内容をカッコよく言える人が、スターなんだそうです。要は1960年代は、現実を変える手段は政治だけだと思ってそれに奔走し、それが無理だと悟ってサブカルに走ってたけど、別に政治に参画しなくても、今はテクノロジーの力で変えられるじゃん!と気づいたという流れです。
それにピッタリと当てはまってるのが、宇野さんは落合陽一さんだと言います。
「何言ってるのかよく分からないけど、とにかく良いこと言ってそうだからリツイートしておこう」というユーザーの心理をハックして、落合さんは敢えてTwitterでテクノロジー関連の難しいことを言ってるそうです。
そしてこれを、箕輪さんは「落合陽一のファッション化」と別の言葉で認識していて、あ、結局頭の切れる人は、同じところに到達するんだなと、興味深い現象でした。
箕輪さんも同じことを言っていて、要はあんまり何言ってるか分からないけど、落合陽一の本を買ってるオレ、えらいでしょ?的な読者心理を突くと。そういう「ファッション化」に成功したからこそ、新著『日本再興戦略』は売れてるんだと仰ってました。
②ワンピースとドラゴンボールの違い
箕輪さんがご自身で仰ってたんですが、話の全体的なパターンとしては、「宇野さんが箕輪さんのやってることを抽象化して、わかりやすく言語化する」→「箕輪さんがその具体例を話して、宇野さんの言語化能力に感心する」というものです。
今回の「ワンピースとドラゴンボールの違い」についての話も、そういった感じでした。
まず、宇野さんが「今後の強いチームの作り方」みたいな話で、「垂直展開ではなく、平行展開」という話をされました。
最初に比喩を出すと、垂直展開→ドラゴンボール。平行展開→ワンピース。だそうです。
どういうことかというと、ドラゴンボールは、悟空ばっかり強くなって、他の仲間が一向に強くならない。これじゃチームとして弱いと。そうじゃなくて、ワンピースみたいに、ルフィ自体はそんなに強くなってないけど、強力な仲間がどんどん増えていくから、結果的にチームルフィは強くなっていく。
この話をして、箕輪さんが「僕も箕輪マフィアを作るために、今年は地方巡礼するんですよ」という話をしていました。
地方だと、東京よりもコンテンツや情報が少なくて飢えてるから、一度行くだけでもその熱量を現地の人達が保ってくれやすいらしいです。つまり、仲間にしやすい。今植えておいたタネが、2.3年後に花開いたとき、最強のチーム箕輪ができあがります。
③言葉の功罪
これは最後の質問でちらっと出ただけだったんですが、個人的に興味深かったので、メモしておきます。
宇野さんが、なにか言葉に関する質問を受けたときに、「言葉は切り取ること、断絶を生むことしかできない」と言っていて、ああなるほどなあと思いました。
僕は、なんとなく、以前から「言葉には、思考をある種膠着させてしまう副作用があるよなあ」と感じていたのですが、結構それとも遠くはないのかなと思いました。
※僕の解釈ここから
要は「言葉」って、今ある現象の「一部」しか取り出せないのにも関わらず、それがすべてであるかのように受け手は感じてしまいます。なにかフワフワしていて抽象的なものを、「言葉」として具現化することによって、言語化されなかった要素は剥ぎ取られてしまう、そんな怖さがあります。
※僕の解釈おわり
だから、宇野さんは「言葉を過大評価しすぎないようにしている」と仰っていて、僕もいちブロガーとして、念頭に置いておこうと思いました。
【オマケ】太った人に社会を論じてほしくない
これ、なんのエビデンスもない箕輪さんの個人的な意見だったんですけど、面白かったので追記しておきます。
要は、自分の体も律することのできない人間に、社会のことを諭されても、説得力がないと。
これ、単純に面白かったのもあるんですが、直感的に分からなくもなかったので、本来本質とは無関係な「容姿」といった要素も、人からの信用を得る上で大事なんだなあと思った次第です。
お二人のトーク、すごく面白かったです。
『映画:ソロモンの偽証』
こんにちは、藤本けんたろうです。
※これは2016年10月頃に僕がnoteで書いていたものを、再編集したものです。
いやー、遅ればせながら観ました、映画『ソロモンの偽証』。
面白かった!!
久しぶりにミステリーものを観たのですが、途中までは本当に展開が読めなくて、全然犯人とか分からなかったです。
前編
序盤に主人公が出てくる場面で、いきなり同級生の男の子と登校していたので、「ストーリーが進むにつれて、恋愛関係が発展していくパターンか!?」とか映画素人ながらに勝手に思っていたのですが、その男の子がお世辞にもカッコいいとは言えなかったので、僕の推測は秒殺でした。
事件が起きてから、「犯人は誰なんだ!?」と思っていると、いきなり主人公から画面が切り替わって、よく分からない2人組の女の子がバスに乗っていました。
その女の子たちがポストに封筒を入れた後、主人公と事件の起きた中学校の元に、事件の目撃者を名乗る匿名の人からの「告発状」が届きます。
もう僕はこの瞬間に「この映画はこの告発状が正式な告発状として認められるかどうかの闘いだ!」と思いましたが、これはストーリーの後半で違うとわかる「分殺」くらいでしたね。
あとは、結局、この事件を混迷が混迷する原因となった、死亡者の担任の先生の隣に住むトラブル夫婦、ストーリーの後半で絶対に効いてくると思ったんですけど、「行方不明」として、後半は全然出てこなかったです。これは残念。ただの、嫌がらせ夫婦でした。
それにしても事件が起きてから、「学校内裁判」が始まるまでを描いた前編は、僕の中ではほぼ完璧に近かったです。当時映画館で観た人は、絶対に後編を観に行きたくなったと思います。
後編
ここからどんどん、事件の全容が明らかになっていきました。
結局、事件は自殺で、告発状はイジメを受けていた人たちの単なる復讐でしたね。
被疑者の弁護役を務めていた人が事件のキーパーソンだったというオチなんですが、
①被疑者がそのキーパーソンに対して「何で最初からそれを言わなかったんだよ!」と追及していたはずなのに、いつの間にか言わなかったこと前提で「だからこそ、自ら被疑者の弁護役を務めた」といういい話に変わっている。
②そこで、なぜかキーパーソンはいきなり「自分を裁け!」と言い出す。いや、いくら何でも自殺を黙認したくらいで「殺人罪」はキツくないすか?
③そして、それに対する主人公の返答も「みんな偽善者なんだから、私もみんなもあなたの偽善ぶりを裁けない」って、うーん、「みんな悪いから裁けない」っていう理屈より「あなたは悪いことをしてない」っていう理屈の方がキレイに収まりそうだけど…。
④ストーリー全体の最後のセリフが主人公の「そして私たちは友達になった」なんですけど、いや別にもともとみんな仲悪くなかったし、友達云々の友情系の話は今まで全く出てきてなかったよね?
っていったあたりの屁理屈を色々と思いついていました。僕の理解力不足なだけかもしれませんが。
あと、これはオマケみたいなもんなんですが、この映画の題名の『ソロモンの偽証』について。ソロモンってなに、食べれるの?とか思っていたんですが、何か昔の王様らしいです。
『古代イスラエルの国王、「ソロモン王」からの発想のようです。ソロモン王は、賢い裁きをする人の象徴、知恵の象徴として引き合いに出されたりします。では、そんな賢い人が偽証したら?』from 知恵袋
だそうです。まあ、学校内裁判の目的はみんなで役割を分担して事件の真相にたどりつくことだったので、そういう意味では裁判に参加したみんながソロモンみたいなもんです。で、だったら誰が偽証してるんだ?っていう感じですかねー。浅はかでスミマセン。
あと最後、エンドロール見てたら藤野涼子さんが役名かつ役者名になってて、どういうことだ!?と思っていたら、彼女はこの映画に出るまで全くの無名だったそうですね。
それで、これでやっと役を得たから、それをそのまま芸名として使ってしまえ!ということだったんだそうです。豆知識。
「小室哲哉さん引退させた週刊文春クソ」も、それはそれでおかしいと思う
こんにちは、藤本けんたろうです。
小室さんの引退騒動を受けて、一気に週刊文春に逆風が吹いてるようですね。
ただ、下の記事を読んで僕も「確かになー」と思いました。
要は、「不倫をした人によって、世間がその反応を変えるのはおかしいんじゃない?」ということです。
あんまりスゴくない人の不倫ならバッシングしても良くて、スゴい人がそれで引退してしまったら逆に週刊誌側をバッシングするって、それはそれで違和感があります。
誰のどんな不倫でも、僕たちが口をはさむ余地はありません。
同じような感覚を、僕が2年前にも味わっていたことを思い出しました。
※この先は、僕が2016年8月にnoteで書いたのを再掲したものです。
「女子大生淫行疑惑」
小池さんの圧勝で終わった都知事選の最中、例のセンテンススプリングから上のような見出しの記事が出ました。
この記事は、都知事選での1つのターニングポイントでした。鳥越さんを支持しない学者や文化人などは、ここぞとばかりに「鳥越叩き」の材料に使い、TVでも連日この記事は取り上げられました。
その後、鳥越さんは街頭演説の不足や討論会逃亡などの自滅も相まって、どんどんと支持率を落としていきました。
結果、与党の分裂という千載一遇のチャンスの中、野党の統一候補として擁立された鳥越さんは、大惨敗に終わりました。
と、これ以降僕は都知事選の分析をしたいんじゃなくて、鳥越さんのスキャンダルから感じた違和感について、書いていきたいと思います。
僕が感じた違和感というのは、スキャンダルが出た際に起きた、いわゆる「鳥越叩き」についてです。
僕は、この「鳥越叩き」の風景をツイッターで眺めながら、「何かこの景色、少し前に見たことあるなー」と思いました。
それは何かなー?と考えたのですが、思い出しました。そうです、参院選の前の乙武さんのスキャンダルの時です。
彼も参院選での立候補表明を目前にして、女性スキャンダルによって出馬辞退を余儀なくされました。
そして今は出馬辞退どころか、離婚危機にまで晒されているそうですから、乙武さんとしてはたまったもんじゃないですよね。センテンススプリングといえども、夫婦の仲にまで関与する権利はありません…。
ただ、週刊誌の女性スキャンダル暴露によって選挙に影響を与えられた(週刊誌の建前としては、立候補者を判断するための材料として公に出すんだから、これは世の中のためだ!ということらしいんですが)という点においては2人とも共通しているのですが、1つ大きく違う点があります。
それは、スキャンダルが出た後、学者や文化人によって鳥越さんは叩かれたけど、乙武さんは擁護されたということです。
あくまでもこれは僕の個人的な感覚であり、統計的なデータは取ってないです。
確かに、鳥越さんの記事が出た後の初動対応がまずかったということもありますが、それを差し引いても2人へのスキャンダルを受けての反応は、大きく異なっていたように思います。
同じ女性スキャンダルなのに、鳥越さんに対しては「これで鳥越氏は終わった」「ジャーナリストなんだから、訴えないで正々堂々と自分で記者会見を開けよ」という意見が見られ、乙武さんには「プライベートと仕事能力は別」「これでまた有望な政治家候補が消された」という180度全く違う意見が見られました。
これってどういうことかというと、スキャンダルの記事そのものの価値は全くないってことってことなんです。だって、同じ記事で違う意見が出てくるんですから。
つまり、スキャンダルはその人の今持っている意見を補強するための、ひとつの材料に過ぎないんです。
スキャンダルが出る前から鳥越さんは準備不足や健康問題を指摘されていたし、乙武さんは何年も前から政治家待望論が出ていました。
これっておかしくないですか?だって政策そのものの議論から本質を外れたところで、その人を評価することになりますから。
乙武さんの方はまだいいですよ、「乙武さんを応援したい!」という気持ちが結果的に「プライベートで仕事能力を判断するな」という正論につながっていますから。
一方で、少なくとも鳥越さんのパターンはやめるべきです。「この人を落としたい」という思いから、鳥越さんの評価を落とせる材料なら何でも使うという風になってしまっています。これはどう見てもヨロシクないです。
以上が、僕が鳥越さんのスキャンダルに対しての反応から感じた違和感です。政治家なんだから、我々有権者は是非とも政策で候補者を評価していきたいですね。
※再掲部分おわり
世間に需要がないと分かったら、週刊誌もネタにしなくなります。
僕たち世間の民度が、試されています。
最近のヒットツイート↓
キンコン西野さんが、
— 藤本 けんたろう (@Kentaro_Fujimo) 2018年1月29日
「一歩踏み出せない人に足りないのは"勇気"じゃない。"情報"だ。僕が今日家から出られたのは、勇気のおかげじゃなく、「家から出ても大丈夫」という情報のおかけだ」
と言っていて、慧眼だなと思った。 https://t.co/pnCvaXC2ZB