いまコミュニティが流行っている理由と、グローバルとローカルに優劣はないって話
こんにちは、藤本けんたろう(@Kentaro_Fujimo)です。
この記事は、落合陽一さん著「超AI時代の生存戦略 ―― シンギュラリティ<2040年代>に備える34のリスト」の感想メモ第2回です。
第1回:「人間はAIにできないクリエイティブなことをしよう!」という言葉の無責任さ
今回は、「今コミュニティが流行っている理由」についてです。
めちゃくちゃ今更なテーマでもありますが、すごい腑に落ちたので、メモしておきます。
「自分らしく生きる」とは
「自分らしく生きろ」とはよく言われる言葉ですが、この「自分らしく」という概念は、近代になって発達したものです。
落合さん曰く、「宗教の持つ人間定義が近代以後に求心力を持たなくなり、それによって発明せざるをえなかった」のだそうです。
神様はいないということがバレてしまい、『神様」に対しての「人間」という根本の構造が崩れてしまいました。
そのため、「人間を人間たらしめるものは何か?」という問に対して「主体性」なる概念が発明されたということだと思います。主体性を突き詰めると「自分らしさ」につながります。
しかし、そういった「心の問題」にさえも、人工知能やコンピュータが触れようとしている時代です。
そして、インターネットで世界がつながり、情報が爆発している今、何が正解か不正解かもわからなくなり、物事への考え方が「主体」から「相対」を意識したものへとシフトしていきます。
ただ、その一方で「主体性」を捨てきれないのも人間です。世の中の変化に対して、僕たち人間が設定する概念のアップデートが、追いついていないのかもしれません。
ここで僕たちにある選択肢は2つです。
- 全世界で(ほぼ)全員が相対的に生きる
- 皆が主体性を感じやすいように、コミュニティを分割する
の2つです。
主体性を感じて生きたいが、世界70億分の1の「自分らしさ」を身につけるのはすこぶる難しいので、コミュニティを分割して人数を少なくすることによって、「自分らしさ」創出しやすくします。
これが、現代においてコミュニティが頻発する背景の一つだということです。
もちろん、「時代の中で(70億人の中で)自分らしい」を目指すのも素晴らしいことですが、逆にそれを目指せなくても、コミュニティを分割することによって、僕たちは主体性、平たく言えば「生きがい」を感じながら生きていくことができるのです。
「グローバル」と「ローカル」
フィールドの母数を変えるつながりで、「グローバル」と「ローカル」の話もしておきます。
落合さん曰く「グローバル」と「ローカル」に全くの優劣はないと言っていて、しかもその論理が別に慰め(なぐさめ)とかではなく、非常に筋が通っていて納得しました。
まずはローカルに働いて、その後でグローバルに展開する、ということを繰り返すわけだ。
ローカルでキャラクター性を出して、その中から要素を抽出してグローバルに持っていって、逆に、グローバルからローカルに合わせていくという対比関係でしかないので、そのどちらかを交互にやり続けることは、21世紀的なワークアズライフを決める指標である。
その後に書いてあった「ローカルとグローバルでは目的と指標が違うので、ローカルであるからといって稼げないわけじゃない」という言葉も、すごく腑に落ちました。
つまり、伸ばすべき方向性が違うんですね。
そういえば僕は、以前こんな記事を書いていました。
ローカルはとことん縦に掘っていって、こだわり、キャラクター性を確立していき、グローバルでは横に広く、要素を抽出して展開していく。どちから片方に納まる必要性は全くなく、むしろその両方の繰り返しでしかないんだなと思いました。
また一つ、考え方が拡張されました。
第1回:「人間はAIにできないクリエイティブなことをしよう!」という言葉の無責任さ
第3回:淡々とやり続けることの大事さと、自分の好きなことの見つけかた
超AI時代の生存戦略 ―― シンギュラリティ<2040年代>に備える34のリスト
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【記事を書いたよ!!】
— 藤本 けんたろう (@Kentaro_Fujimo) June 5, 2018
渾身の記事を書いたったぜ...!気合たっぷりの5000字弱。日本中の文系ビジネスパーソン、全員に読んでほしい。数式は、一切使ってません。
「ディープラーニングは電子レンジ。」いまさら聞けないAIを、ド文系学生が解説する|株式会社wevnal https://t.co/01kYEJxDcR pic.twitter.com/MpUURWXehw