藤本の日記(@Kentaro_Fujimo)

大学生の男です

ベーシックインカムとは?

 

こんにちは、藤本けんたろう(@Kentaro_Fujimo)です。

 

 

ベーシックインカムとは?


ベーシックインカムとは、一言で言うと、

 

「国民の全員が、働いても働かなくても、ある一定(最低限、生活するのに困らない金額)のお金が自動的にもらえる制度」

です。

 

何それ、めっちゃいいんじゃん!?

働かなくてもお金がもらえる!?

 

そうです、働かなくてもお金がもらえます。

 

でも同時にこうも思ったはずです。

 

「だったら、働きたくない」

 

そうなんです、ここがこの制度の賛否を二分する、最大の論点の一つです。

 

つまり、働かなくてもお金もらえるんだったら、みんな働かなくなって、みんなダメダメになっていくんじゃないか?というのが、反対派の主張です。

 

ちなみに僕は、賛成派です。

 

じゃあ何で賛成派の人たちは、一見、こんな皆がダメダメになっていきそうな制度を推進してるのか?

 

色々と理由はありますが、その中でも最大の理由の一つは、「まあ、ダメダメになりたい人は、ダメダメになってもいいんじゃね?」です。  

 

どういうことかと言うと、昔は、皆が一所懸命、汗水たらして働かんと、食べ物は無かったし、着る服もなければ、乗る車もなかった。

けど、今はそういった仕事はどんどん機械が代わりにやってくれるようになってきた。

そして、これからはAI(人工知能)っていう、さらにすごい機械が、今までは人間にしか出来ないって言われていたような仕事も、代わりにできるようになるだろう。

だから、我々人間は、今までのお金をもらうためだけにやっていた、つまらない労働からは解放されて、どんどん遊ぼうじゃないか!

ってことです。

 

さっき言った、「まあ、ダメダメになりたい人はダメダメになってもいいんじゃね?」っていうのは、実は悪魔の言葉じゃなくて、

 

「遊びたい人は、もう仕事は機械がやってくれるから、遊んでいいんだよ」

っていう、天使の言葉です。

 

 

ベーシックインカムの良いところ4つ

 

①仕事をする目的が、生きるためから、自分の夢や目標の実現ためへと変わる

制度の理念としては、これが1番大きな面だと思います。


昔は人間が働かなければ、食べるものも無ければ、着る服もなく、乗る車もありませんでした。


つまり、人間は「生きる」ために、働かなければならなかったんです。


しかし、我々人類は、そうやってせっせと働く中で便利なものを発明しました。

 

そうです、「機械」です。

 

我々は機械を発明ました。そして今は、AI(人工知能)という、さらにすごい機械を発明しています。


機械は我々の代わりに働いてくれます。しかも、「疲れたー」や「腹減ったー」、「もっと給料よこせー」など、グダグダ文句を言いません。アメノヒモカゼノヒモ、真面目に24時間、働き続けます。そのくせ、人間より、ミスが少ない(正しく作れば)。

そんな有能な社畜野郎が代わりに働いてくれれば、我々はもう働く必要がなくなります。


生きるための労働が必要なくなれば、我々が働く目的は「自分の夢や目標の実現のため」になります。


労働の義務から解放された良い社会です。

 

②真のセーフティネットになれる

 

①とも少し関連するのですが、機械は人間よりもミスなく働きます。つまり、労働力は機械に代替されます。結果、大半の人間が今存在している職業には就かなくなります。その際に、ベーシックインカムがあれば安心です。


また、日本に限って言えば、日本では解雇規制があるために雇用の流動性がなく、斜陽産業から成長産業へと人が流れない問題があると言われています。


ベーシックインカムがあれば企業側も解雇をしやすくなり、人の移動が起きやすくなったり、能力のない人を無駄に雇用しておく必要がなくなります。

 

あと一応付け加えておくと、確かに今でも「生活保護制度」というのはあります。ただ、生活保護制度だと、とてつもなくめんどくさい手続きを経て、なおかつそこから行政側の判断によって受給できるかどうかが決まってしまいます。

 

これだと、プロセスの中にとんでもない無駄が入り込むし、行政の恣意性により、受給すべき人が受給できず、本来保護を受けなくてもいい人が保護されているという問題があります。

 

さらに、仮に受給できたとしても、「自分は自分の生活していく分のお金も稼げないのか」という思いなどから、後ろめたい気持ちになり、これは人間の自尊心の面からも非常に問題があります。


これから多くの人が今ある職業から失業、もしくは新しい仕事を見つけていくのに、そんなに多くの人が自尊心を失ってしまえば、社会の活力がなくなってしまいます。

 

ベーシックインカムなら、皆が一律にもらっているので、そんな問題も解決されます。

 

③働きたい人、能力の高い人だけが働くようになるので、効率よく富が生み出される

ベーシックインカムの反対派の意見としてよく挙げられるのが、「みんなの労働意欲なくなるんじゃね?」っていうのです。これに関しては正直僕、全く心配しておりません。


というのも、そもそもが機械が代わりに働いてくれるからベーシックインカムという話が出てきたわけですし、最低限のお金もらって働くのやめるような人は元々働かない方がよいような人です(のはずです)。


その分を、機械や能力の高い人が働いた方が効率よく成果が出ます。


機械や能力の高い人が効率よく生み出した富を、税金で回収して、それを再分配しよう!というのがベーシックインカムのお金の流れです。

 

④スリムな行政になれる

実はこの4つ目のメリットが、ベーシックインカムがなかなか導入されない(特に日本では議論の俎上にも載らない)最大の要因だと、僕個人的には思っています。


どういうことかというと、このベーシックインカムは今ある社会保障制度のほとんどを、ベーシックインカムに統一してしまおう!ということなんですね。


例えば、生活保護や年金、などです。まずこの時点で、シンプルな制度になるということで、行政の仕事が少なくなります。また、生活保護と違って、所得の捕捉をする必要がなくなるので、そこでまた行政の仕事が減ります。


今までも制度をどんどん複雑にすることによって自分たちの仕事を増やして、権力を拡大してきた官僚たちが、わざわざ自分たちの仕事が減るような制度を導入するとは考えづらいです。


日本での導入の場合、ここが最大のネックポイントになるかなと思います。

 

以上の4つが、僕の考えるベーシックインカムの利点です。

 

ベーシックインカムの「お金」の問題

 

この章ではベーシックインカムの「お金」の問題、つまり、懸念点の方について書いていこうと思います。

お金の問題に関しては「労働意欲の減退」と並ぶ、反対派の主張ツートップの一角として君臨しています。(労働意欲の減退については、前章にて説明済)

 

まあ具体的に言うと、「1人何円配るんだー?」「大人と子供で金額に差はつけるのかー?」「財源はどこにあるんだー?」っていうところですね。

 

まず、「1人何円配るんだー?」ですが、これはとりあえず7万円とします。

 

色々と試算してみたんですけど、途中から訳分からなくなって、結局、まあ生活費なんて十人十色だよねっていう、小学生でも分かるような結論に落ち着いてしまいました。

とりあえず7万円で計算してみます。まあ別に、最低限の生活送る金額の足しとして、少なすぎることはないと思います。

 

次に「大人と子供で金額に差はつけるのかー?」ですけど、僕は基本的に同額でいいと思っています。元々生活費なんて人それぞれだよねってことで7万円にしたわけですし、子供と大人で差をつける意味はあまりないです。

 

制度のシンプルさもベーシックインカムの売りです。子供は一応、親と一緒に過ごして、お金の管理は親がすることになると思うんですけど、子育てにも色々とお金かかりますからね、一緒でいいです。どうしてもっていうなら、子供への支給額を若干下げて、その分大人に回してもいいですけが。

 

最後、「財源はどこにあるんだー?」問題ですね。これがお金の問題の中でもラスボスだと思います。

では、ざっくり計算していきます。


ちなみに僕そんなに数字に強くないので、複雑な計算とかはしません。というか、できません。

 

最初は必要な金額ですね。それが分からないと、何も始まりません。

 

まず、毎月7万円で、12ヶ月だから、年間で1人84万円必要です。

 

今、日本の人口が大体1億2千万人なので、全体で年間約100兆です。

 

では、次にこの金額をどうやって捻出していくか考えていきましょう。

 

増税します。


すいません、これは、致し方ありません。今の日本の国家予算が約100兆円なので、ベーシックインカムだけですでに現時点での国家予算規模になってしまいます。

 

では、何を増税するのが良いのでしょうか?

 

下のグラフを見てください。

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グラフは、平成28年度のものなんですけど、歳入税制ベスト3は、「所得税」「法人税」「消費税」です。

 

財源として、相続税100%だー!みたいな意見もあったんですけど、そんなちっぽけな財源、100%にしたところで気休め程度にしかなりません。なので、財源としては却下です。

 

ということで、上の3つの内、どれかを増税するということになります。

 

結論から言えば、「消費税」です。

 

これも、ネットでは「所得税」の累進課税を強化して、金持ちから巻き上げろー!みたいなのが多かったんですけど、却下です。金持ちから回収して、再分配するというところは賛成ですが…。

 

なぜかというと、所得税は金持ちであればあるほど、きちんとした捕捉が難しいです。最近は「パナマ文書」なんかも話題になっていますが、お金持ちの人はリスク回避や節税の意味も込めて資産を分散させます。

 

また、最近は仮想通貨もどんどん盛り上がってきて、正確な捕捉はどんどん難しくなっていきます。

 

ですので「所得税」は却下です。

次の「法人税」は文句無しで却下です。

 

これから、日本、特に東京は国内でチマチマ争い合ってないで、世界の都市と戦っていかなければなりません。シンガポールなどは法人税を低くして、どんどん企業を誘致しています。

 

そんな中、国際競争力をつけなければならないのに、法人税増税するのは時代に逆行します。むしろ、大企業がどんどん出て行ってしまい、税収が下がってしまいます。だから、却下です。

 

で、「消費税」です。決して消去法ではありません。ちゃんと理由があります。

 

まず、消費税は所得税と違い、確実に捕捉ができます。100万円の所得に完全に税をかけることは無理ですが、100万円の消費に完全に税をかけることはできます。その場で払いますからね。

 

次に、消費税は法人税と違い、多少増税されても納税者が逃げることはありません。法人税なら、企業に外国へ逃げられたら終わりですが、消費税で、わざわざ税逃れのために家を移す人はなかなかいないでしょう。コストが高すぎます。

 

そして、日本では資産の大半は高齢者が持っているといわれています。つまり、日本の経済を活性化させるためには、高齢者にお金を使ってもらう必要があるのです。所得税法人税なら無理でも、消費税ならリタイアした高齢者でも納税できます。

 

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では、なぜ高齢者はお金を持ってるのに使わないのでしょう?

 

それは、将来が不安だからです。

 

麻生さんも言ってます。

mainichi.jp

 

しかし、この問題もベーシックインカムセーフティネットができれば、高齢者は心置きなく貯蓄を消費に回すことができます。

 

1つ付け加えておくと、ときたま「消費税は税率が貧富の差に関係なく一律だから、貧困層に不利だ!」みたいな主張を見かけます。つまり、お金持ってない人の方が持ってる人よりも消費に占める税の割合が大きいから、低所得者の負担"感"が大きいってことです。

 

僕は、それは間違ってると思います。


大きいのは、低所得者の負担ではなく、負担「感」です。現在でも、高所得者高所得者なりにそれなりの消費をして、それに準じた消費税を払っています。絶対額で見れば、高所得者の方が明らかに負担が大きいです。なので、「消費税は逆進性のある税制だ」という主張は、間違ってると思います。

 

はい、ということで消費税を試算したベーシックインカムの財源(100兆円)に加えていきましょう。では、消費税は何%にするのか?とりあえず、25%でいきましょう。北欧とかだとそういう国もあるので。そんなにヤバイ数字ではないです。

 

本当かどうかは分かりませんが、ネットで調べてると、一応、消費税1%上げるにつき2兆円歳入が増えるらしいです。これに従えば現在の8%から17%分増えるので、17×2兆で34兆円増ですね。現在の消費税での歳入が約18兆円なので、合わせて52兆円、約50兆円です。

 

さて、残りの財源も考えていきましょう。

 

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年金はベーシックインカムへ統合されるので、消費税の50兆円+この年金分の56兆円=106兆円分で、とりあえずは100兆円分超えました。


ただ、これは本当にとりあえずです。

 

年金の財源は税金で賄われている分もあり、消費税の分と重複があったりします。

 

ただ、これ以外にも同じく統合される生活保護の分のお金や、制度の簡素化による人員やシステムの維持費などが削減できます。年金や雇用保険として納められている保険料も、ベーシックインカムの財源に充ててしまいましょう。

 

何とか100兆円分なら、調達できるのではないでしょうか??

 

ここまで、僕のベーシックインカムについての考えを書いてきました。

ベーシックインカムによる移民難民流入の問題など、議論すべき課題もまだまだあると思いますが、本気で検討する価値は十分ある制度です。

 

海外ではどんどん小規模で実験的に導入される例も増えてきてるので、これからも、ベーシックインカムの動向を見守っていきたいと思います。

 

※この記事は、2016年の6月頃にnoteで書いた記事の転載です。

 

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