『cocorone』ローンチイベント行って、これからの「メディア」「買い物」「らしさ」について考えた
こんにちは、藤本(@Kentaro_Fujimo)と申します。
昨日の夜、『cocorone』という新しいメディアのローンチイベントが、渋谷の『BOOK LAB TOKYO』でありました。
『BOOK LAB TOKYO』には初めて足を踏み入れたのですが、いい雰囲気でしたね。
『cocorone』がどういうメディアかというのは、僕が自分の言葉ではうまく説明できないので、イベント告知の文言をそのまま載せておきます。
今回、私たちは新しい形で地域の魅力を発信するため、伝統工芸品やデザイン雑貨を生活に取り入れた豊かな生活を提案するメディア「こころね」をスタートさせました。
心根(こころね)とは、「心の奥底」を意味するコトバです。
大量生産が当たり前となった今日、ありふれたモノではなく、心の底から 「いいね」と思うモノに出会ってほしい。
私たちのそんな思いをひとりでも多くの人に感じてもらうため、今回「こころね」のローンチパーティーとして”キャッシュレスマーケット”を開催する運びとなりました。
そしてそのローンチイベントの一環として、1時間ほどのトークセッションがあったのですが、今回のブログのメインはこれです。
トークテーマは「"メディア”による地域の魅力発信」。
3名の登壇者はコチラです。(※順不同)
①青木優さん(@yuuu_a)
訪日外国人向けメディア「MATCHA」を運営する会社の代表取締役です。
②平山高敏さん(@t_hirayama0227)
旅メディア「ことりっぷ」のWEBプロデューサーです。
③最所あさみさん(@qzqrnln)
今回ローンチした『cocorone』のプロデューサーです。
モデレーターは、モリジュンヤさん(@JUNYAmori)。今回の『cocorone』を運営する会社『IDENTITY』の、共同代表取締役です。
ということで、今回のトークの感想を書いていくのですが、僕が深く考えたとこだけをかいつまんで書いていきます。(3つ)
なので、1時間のトーク内容を網羅してはおらず、これから書くことは僕の勝手な記憶と解釈もふんだんに入り乱れていることを予めご了承くださいい!!
目次
これからのメディアの役割
今回のトークテーマをおさらいしておくと、「"メディア”による地域の魅力発信」。
メディアに関しては、最所さんが言っていた「メディアの役割」についての発言が、印象に残りました。
それは、メディアの役割は、ただ単に"作り手"と"受け手"をつなぐだけではないということです。
「メディア」って、単語の意味をそのまま取ると「媒体」という意味なので、ややもすれば「つなぎ役」をしていればいいとなってしまいがちです。
でもそうではなくて、メディアには新しい"受け手"を発掘したりといった、「"作り手"の価値を最大限に高める役割」を担う必要がある、という話をされていました。
現場ではここまで聞いてふーんって程度だったんですが、今書きながらやっとnoteの内容と話がつながりました。
これからの時代、「メディア」と「ブランド」の境界線は溶けてなくなっていきます。もっと言えばここに「コミュニティ」の要素も入ってきて、まさに三位一体の状態になると思います。
最所さんは、おそらくこの「ブランド」や「コミュニティ」の役割も「メディア」は担っていかなければならないよ、ということを言っていたのかもしれない!と気づきました。
「作る」に時間と労力を割かれて忙しい"作り手"さんの、「広める」の部分を担うメディアこそが、これから求められていくんだなと感じました。(ちなみに、この両方の過程を両方とも最高レベルでこなすキンコン西野さんは、最強です)
これからの時代の購買行動
会場には、オシャレな展示スペースも...!
次に2つ目は、これまた最所さんが話された、「今の(消費)トレンド」についてです。
最所さんは「バーソナライズされた体験」と答えられてて、まあそれ自体はもう色んな人が言っているのですが、そこで挙げられていたエピソードがすごく示唆に富んでいるなと思いました。
その話と僕自身の体験がつながって、また一つ「これからの購買行動」についての考えることができたからです。
最所さんのエピソードは、佐賀へ有田焼の取材に行った際の話でした。
どうやら、現地の市役所の方でモーレツに有田焼に詳しい方がいたらしく、その方に佐賀でのオススメの取材先ルートなどを教えてもらったようです。
それで、最所さんは取材として訪れたにも関わらず、お土産として(有田焼などを?)爆買いしてしまいました。
その話のなかで、ポロッと「(現地の方に取材先を)アテンドされた(上で訪れた)から買ってしまった」みたいなことを言われていて、あっこれだ!と思いました。
というのも、僕は「行きたい飲食店」というのを常にストックしていて、どこか外食するってことになったらそのリストの中から選びます。
逆に言えば、最近は「ふらっと見つけた良さげなお店」とか「食べログで見つけた高評価のお店」に行くことがめっきり減りました。
で、この「行きたい飲食店」のネタ元は、大半がフォーリンデブはっしーさんのインスタグラムと、堀江貴文さんのメルマガです。
そして、僕が最近ずっと考えていた「僕はこの「行きたい飲食店」に実際に行って、一体何を体験しているんだ?」という疑問が、最所さんの話を聞いてようやく解けました。
僕はフォーリンデブはっしーさんの行ったお店を訪れて、「そのお店の料理」を体験していたのではなく、「フォーリンデブはっしーさんが食べた料理」を体験していました。
俗に言う、「追体験」です。
だから、偶然見つけて入っても、フォーリンデブはっしーさんが行っていたのを見て入っても、そのお店の料理の味自体は全く一緒でしょうが、絶対に僕の満足度は違う自信があります。(もちろん後者の方が高いです)
それをなんとなく肌感で察していたからこそ、僕はふと見かけた良さげなお店をスルーし続けていたのかもしれません。
オシャレな展示②
最所さんの話に戻ると、最所さんもやっぱり、自分で調べて取材先を割り出ししていたら、おそらくそこまで爆買いに走ることもなかったのではないでしょうか?
現地の役所の方にアテンドしてもらったからこそ、ついつは爆買いしてしまったような気がします。
つまり僕たちは、誰かに「紹介してもらいたい」んです。
これからの購買行動には、この要素がかなり重要になってくると思います。
だって、今の世の中、情報が普及しすぎてどの商品もそれなりに良いです。そんなに差がありません。
それに、もう既にモノが溢れすぎて、最低限生活する分には、これ以上モノも必要ありません。
そんな状況のなかで、これから僕たちがわざわざモノを買う時というのは、「誰かに紹介してもらった時」です。
逆に言えば僕たちは「誰かに紹介してほしい(商品を差別化してほしい、買う理由が与えてほしい)」と願っているのかもしれませんが。
しかしその時だって、僕たちが買っているのはその「モノ自体」ではなく、「その人が勧めていたモノ」です。
「モノからコトへ」は言われて久しいですが、次に来ると言われている「コトからヒトへ」の消費。
僕たちはこの先、モノでもコトでもなく、"ヒト"にお金を払うようになっていくんだなーと実感した最所さんのエピソードでした。
”らしさ”ってなに?
そして最後3つ目は、 "らしさ" ってなに?です。
これはトークセッションの後半で、そこそこ時間をかけて議論されました。
僕は今まで"らしさ"について深く考えることはなかったのですが、このテーマになった途端、登壇者の方々からかなり抽象的な議論が飛び交い始めたので、やっぱり「地方」や「伝統」に深く関わる人には、避けて通れないテーマなんだろうなあと思いました。
最初に結論を言っておくと、"らしさ"というのは「人によって形成され、人によって評価される」ものだそうです。
まず前半の「人によって形成される」というのは、平山さんの話がわかりやすかったです。
要は例えばある地方で"らしさ"を出していこうと考えたとき、人ではないもの、つまり「場所」や「農産物」といった自然のもので"らしさ"を表出しようとすると、結局消耗戦になってダメなんだそうです。
美味しいみかんがありますよー!つてアピールしても、もっと美味しいみかんを作る地域がでてきたらそれで終わりだと。
でもそこで、「人」で"らしさ"を出していくとするとどうでしょう。
誰一人、この世に同じ人物なんかいないし、同じ人生を歩んできた人はいないですよね?
つまり、人を掘り下げることによって生まれた、人にフォーカスすることによって生まれた、"らしさ"というのは、唯一無二の魅力を持つわけです。
次に後半の「人によって評価される」に手こずりました。最初聞いた時、いや、それは当たり前だろと。
前半の「人によって形成される」は自然に対しての人ということで理解できたのですが、「評価される」のは別にみかんに僕たちが評価されるはずもありません。
けど、しばらく考えてわかりました。あ、これは「機械・数字」に対してのアンチテーゼなんだと。
おれたちは、あんたら機械に評価される筋合いはねえ! っていう話だったと解釈しました。
今は「信用経済」の名のもとに、次々と個人の評価を数値化するサービスが出てきていますが、もしかしたらそのあたりを念頭に置いた発言だったのかもしれません。
オシャレな展示③
そういえば、"らしさ"を頻繁に耳にする時期が、僕にもあったことを思い出しました。そして、当時抱いていた"らしさ"に対する疑問も、今日の話で解消されました。
僕が"らしさ"をよく聞いていたのは、中高の野球部時代です。
試合の時にしょっちゅう、顧問の先生から「自分たち"らしい"野球をしよう!」というゲキを受けていました。
当時はホントに意味がわからなくて仕方なかったのです。
「いや、そんなん教えてもらった覚えはないぞ。とりあえず声出して元気ハツラツにやればええんか?」と。
数年経って、ようやく意味がわからなかった意味がわかりました。
結論から言うと、「自分たち"らしい"野球」なんてものはこの世にありません。いや、ないことはないのですが、それが永遠に"らしさ"と呼ばれる日は来ないだろうと思います。
なぜならそれは、野球が「点をたくさん取った方が勝ち」という「数字」に基づいたものさしで価値が規定されているゲームだからです。
結局、"らしさ"というのは「結果」ではなく、その「過程」でしか生まれません。
「結果」という土俵に上がり、
「数字」というものさしで測られた瞬間、この世のすべての"らしさ"は消滅します。
野球の話に戻ると、例えばホームランをいっぱい打つことがそのチームの"らしさ"だとして、ホームラン5本打って試合に負けた場合と、ホームラン0本でも試合に勝った場合なら、世間の評価として高いのは断然後者です。
だから、「自分たち”らしい”野球をしよう!」という激励は、「試合に勝とう!」と同義になり、結局僕たちは全力でプレーすることくらいしかできないのです。
そうやって考えると、前半の「"らしさ"は人によって形成される」という文言への理解度も高まります。
「その人自身のエピソードや生い立ち」は、どうやったって数値化できないからです。
つまり"らしさ"というのは、「どう表出するか」ではなく「どう見出すか」ということが大切なのかもしれません。
最後に
オシャレな展示④
ということで、以上3点「これからのメディアの役割」「これからの購買行動」「"らしさ"」について、『cocorone』ローンチイベントのトークセッションから考えました。
メディアを黎明期から見届けるという経験がこれまであまりないので、インスタグラムでのグロースぶりを、温かく見守りたいと思います。
以上、『cocorone』ローンチイベントイベントレポートでした。
僕の普段のツイートの様子です↓
僕たちが「身体」を持つ以上、リアル店舗の意義はあり続けるよなあ。
— 藤本けんたろう (@Kentaro_Fujimo) 2017年12月6日
こういうのを読むと、ZOZOSUITでユニクロやばい!みたいな記事の、なんかそれは違う感がより鮮明になる。リアル店舗網持ってるのは、やっぱり強いよ。
お店はやっぱり、「待ち合わせ場所」なのだと思う https://t.co/WgG16JMw19
田端さんのこの記事はマジで慧眼。「広告とは?」という定義を大幅に拡張する、まさに目からうろこの記事だった。思わず僕も、当時はこの記事の感想だけで、ブログ一本書いてしまった。。
— 藤本けんたろう (@Kentaro_Fujimo) 2017年12月7日
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