藤本の日記(@Kentaro_Fujimo)

大学生の男です

巨人・阿部慎之助が補欠になる日。

日本キャッチャー史に名を残すであろう、名捕手「阿部慎之助」。

 

2000年代最強の「打てる捕手」の称号を彼に捧げることに、誰も異論はないだろう。

 

そんな彼は今、プロテクターをそっと外し、左手はファーストミットに持ちかえて、「4番・一塁」としてチームを支えている。2017年5月9日の試合終了時点で、5本塁打25打点は共にチームトップだ。

 

しかしそんな彼も、今季で38歳。ここ数年、同世代が次々とユニフォームを脱ぐ中で、彼自身も「引退」の2文字が頭の中をよぎっているはず。恐らく5年、3年、いや、もっと言うなら、明日の試合でダイビングキャッチなんかした時に、持病の首痛を悪化させてそのまま...という可能性だって0ではない。

 

ただ、今季のここまでの打棒の健在ぶりを見ると、余程の大怪我や不振がない限り、まだもう数年は十分にやれそうだ。ただしそれは、「スタメン」とは限らない。

 

阿部の一塁守備、お世辞にも「上手」とは言えない。今季も既に何回かポカをやらかしてるし、記録に表れないミスもちょこちょこしてる。今の阿部の起用法を言葉で表現するなら、「守備にはある程度目をつむるから、その分打ってくれ!」である。

 

つまり阿部は、打ちまくらなければならない。逆に言うと「ほどほど」の成績ならば、それは「スタメン」から「補欠」への降格を意味する。まあ、阿部ならば「代打の神様」あたりが妥当だろう。

 

今のところの成績ならまあ一応、あのお粗末な守備にも目をつむれる。しかし今季の残り試合、はたまた来年以降で「ほどほど」に打撃成績が下降していくようだと、首脳陣は目をパッチリ見開いて、彼の一塁守備の粗探しを始めてしまう。

 

ただ僕たち巨人ファンは、「スタメンの阿部」しか知らない。だから、首脳陣としては「ほどほどしか打てなくなったから、そろそろ控えに回したい」と思っていても、僕たちはそんな急には「控えの阿部」を受け入れられない。

 

そこで今回は、僕も含めて「阿部が補欠になる日」が訪れても、ショック死で倒れてしまわないように、現時点の予測できる範囲で、首脳陣の立場からの「阿部補欠化ストーリー」の候補をいくつか作っておこうと思う。

 

「阿部が補欠なんて考えられないー!」という人は、この先を読まず、そっとページを閉じてもらいたい。

 

まず最初に、このストーリーにおいて最も重要なのは、「なめらか」であることだ。つまり、ファンが受け入れやすく、かつ阿部本人のプライドも出来る限り傷つけないようにする必要がある。

 

世の中、探しているものというのは、大概近くにあるものだ。灯台下暗し。今回ストーリーを考えるにあたり、最も参考になる事例は「村田修一」だ。彼もまた、通算本塁打数は300本を超え、本塁打王のタイトルも2度獲得している、阿部と同じ大打者だ。しかし彼は今、補欠である。

 

昨シーズン終了時、誰が今季の村田を想像できただろうか。2016年、彼は全試合出場に3年ぶりの3割。25本塁打81打点はチームトップで、おまけにゴールデングラブ賞ベストナインだ。彼は2016年、出来杉君以上に出来すぎなシーズンを過ごした。

 

ところがどっこい、そのバラ色のオフの間に巨人にやって来たのは、少しぽっちゃりして帰ってきた、2013年楽天日本一の立役者「ケーシー・マギー」である。

 

オープン戦は良かった、なぜなら「DH」があるからだ。僕が思うに、オープン戦におけるセ・リーグのDHというのは、結構罪深い奴である。シーズン中よりも一人スタメン野手が多いから、首脳陣はレギュラー当落戦場の選手にも、暫定ながら「スタメン」のイスを与えてしまう。ところがシーズンが開幕した途端、その選手が座っていたはずのイスは、どこかへ消えてしまう。厳密に言うと、ラスト3試合くらいからDHを外して、先発投手を打席に立たせるが。そして気付いたときには、「補欠」なのだ。村田も、このパターン。

 

以上、この事例からは「大物外国人選手」、「オープン戦DHからのシーズン補欠」あたりが、参考になりそうなキーワードだ。

 

しかし、村田が補欠に危機に晒されたのは今季だけではない。結果的に村田がレギュラーになったから、今ではそれほど覚えられていないかもしれないが、実は昨年も、村田は開幕ギリギリまで補欠だった。

 

そう、昨年のオープン戦期間中、三塁のスタメンはほとんどが岡本だった。結局、岡本が全く打たなかったから開幕直前に2軍落ちして、事なきを得たが、もしあのまま岡本が成績を残していれば。。恐らく村田は補欠だった。

 

ああ恐ろしや。昨年の事例からは、「期待の大型新人」というワードが浮かんでくる。

 

あと村田修一以外に、「大打者の静かなる補欠化」として参考になりそうな選手が、「新井貴浩」だ。去年の広島カープの4番兼セ・リーグMVP男の、今季の立ち位置は5,6番兼ベンチ。打率自体は3割を超えてるし、HRも5本打っているが、立ち位置的には降格だ。緒方監督としては、世代交代や鈴木誠也を4番として育成したいといった魂胆があるのかもしれないが、それだけで今季いきなり新井を降格させるのは、ファンも本人も受け入れがたいはずだ。

 

そこで緒方監督が用いたウルトラCは、「休養からのこっそりそのまま4番交代作戦」。今季、広島は「4番新井」で開幕した。鈴木誠也は6番だ。と思っていたら、気付けば鈴木誠也が4番に定着していた。最初は新井の休養日だけだったのだが、いつの間にか新井スタメン出場時にも、鈴木が4番で出るようになっていたのだ。とても静かな交代劇だった。僕がこの前散歩した、深夜の公園くらい。緒方監督のこの作戦、「4番」のところを「スタメン」に変えてもなかなか使えそうだ。

 

とまあこんな感じで、阿部が控えになる幾つかのパターンをシミュレーションしてみた。最後にまとめると、代替選手候補としては「大物外国人」、「期待の大型新人」。補欠ストーリーについては、オープン戦DHからのシーズン補欠」、「休養からのこっそりそのままスタメン交代作戦」あたりが有力。これらを上手に組み合わせれば、ファンは出来る限り穏やかな気持で「阿部の補欠」を受け入れ、本人のプライドへの傷も、出来る限り最小限に留められるのではないだろうか。

 

個人的には、岡本に「期待の大型新人」枠を活用してほしいなー。

 

 

 

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