「ぼくらの仮説が世界をつくる:佐渡島庸平」
結局、いわゆる「優秀な」人というのは、言葉の言い回しや表面上の理論が多少は異なれど、思考回路は同じところに行き着くんだなと思った。
今回の佐渡島庸平さん、著書の題名からも察しのつく通り、物事を考える際の思考回路の順番は、
「仮説→情報→仮説の再構築→実行→検証」
となってるそうだ。因みに比較対象として、一般的な思考回路の順番は、
「情報→仮説→実行→検証」
と本著では記述されてた。
肝は赤く着色した最初の2ステップで、要は「先に情報を収集しすぎると、固定概念に囚われて前例主義になってしまうから、最初に仮説を立てて、情報はその仮説を補強するために利用する」というのが、佐渡島さんの主張。
僕は最初にこれを読んだ時、「えっ、佐藤航陽さんと全く逆じゃん!」と衝撃を受けた。
僕も以前のレビューで紹介した、「未来に先回りする思考法」の著者である佐藤航陽さんは、その著書の中で未来に先回りするための思考法として、
『歴史から「なぜ(起源)」を突き詰め、「規則性」を見出すこと』
の重要性を述べていた。 言うならばこの思考回路は、
「情報→仮説→実行→検証」
という、一般的な思考回路の典型例だ。
だから僕は、「ああ、こんなにすごい結果を残してる人たちでも、そのアプローチは千差万別なんだなあ。人それぞれなんだなあ。」と妙に嬉しくなっていた。
ただ、読み進めていくと少し事情が違うことに気付いた。佐渡島さんは隠し持っていた。「仮説」という第1段階に入る前にある、「第0段階」の存在を。
キーワードは「宇宙人視点」。
この単語を聞いただけだと全く意味がわからないと思うけど、佐渡島さんは「仮説」を立てる際に「宇宙人視点」で物事を考えるようにしているそうだ。
要は物事の本質を捉えるために、出来る限り慣習や表面的な事象を排除するということ。そうすれば、過去の常識にとらわれない大胆な「仮説」が立てられる。つまり、佐渡島さんと佐藤さんは、「言ってることは違うけど、やってることは同じ」だった。
最初、僕がスゴイと思う人がそれぞれ逆の思考法で、同じように結果を残していることに、ワクワクしながら読み進めていたのだけれど、結局同じかい!って気付いて一瞬だけ落胆した。
ただ、すぐに切り替えた。というか、僕にとっては同じだった方が都合が良い。なぜなら、つまりこの思考法こそが、未来を切り開くには「最強」ということが判明したからだ。
道具は手に入れた。あとは自分次第。
僕も、自分自身の「仮説」で、世界をつくっていく。
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