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藤本の日記

関西に住む男子大学生が書くブログです。

「総理:山口敬之」

 現在、世間を賑わせております「森友学園」問題。ニュースなどによると、どうやら安倍総理もこの件に関して大きく絡んでいるようですね。

 

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詳しいことについて僕にはわかりませんが、まあ野党にとって久しぶりに絡みがいのある問題が出てきたので、ほっといても勝手に野党の皆さんがたくさん調べてくれるでしょう。ところで、今回の一件が明るみに出てくる前から、ちょうど僕は以下の本を読んでいました。

 

総理 (幻冬舎単行本)

総理 (幻冬舎単行本)

 

 

ホントに奇遇です。あらかじめ断っておきますが、本エントリは森友学園問題についての真相を究明するものではありません。この本を僕が読み終わったタイミングと、今回の事件が出てきたタイミングがたまたま同じだったので、導入として軽く触れただけです。あくまでも本エントリは上記の本「総理」のレビューがメインです。ご了承くださいませ。

 

この本の著者は、新聞記者として長く政治家などを取材されてきた方のようです。本は、時に周囲から「近すぎる」と批判されるほど、権力の中枢にまで踏み込んだ著者の経験から、TVや新聞では絶対に伝わることのない、安倍さんや彼を支える麻生さん、菅さんの人間模様やドラマが描かれています。

 

僕、永田町の感覚とか全然わからないので、この本読んで初めて知ることも多かったんですけど、やはりこの本を読んで一番思ったのが、「一記者と政治家がこんなに近い距離でいいのか!?」っていうことです。月並みですけど。普通に半プライベート的な感じでゴルフに行ったり、外遊先のホテルの部屋でサシ飲みしたりもしてました。著者の方が他記者から「近すぎる」と批判される声があることを差し引いても、驚愕でした。まあでも、それくらい踏み込んだからこそ、今回のような本が生まれたわけでもあり、そこは各記者それぞれのやり方があるってことで良いと思います。

 

ただ、一方で著者が永田町に染まりすぎたのか、しょうもないことにエネルギー使ってるなあと思うこともありました。以下本文から引用します。

 

首相の辞任と衆議院解散は、永田町に生息するすべての人種にとって超ド級の特ダネであり、もしこれを抜けたら(=他社に先駆けて報道できたら)、政治記者にとっては究極のスクープである。

 

ここはなんかズレてるなあというか、その狭量な価値観は世に情報を伝えるメディアとしてふさわしいのか、と問いたくなりました。この部分に関しては、元政治家の橋下さんがズバッと言ってくれているので、ネットの発言記事から引用します。

 

政治部の世界で称賛される情報は、正直国民にとってはどうでもいい情報が多いね。例えば、永田町、政治部の世界では、首相が解散をいつするのかという情報が、トップ中のトップの情報となっている。永田町に生息する記者は、この情報をつかむことに命をかけている。 そりゃ国会議員にとってはいつ解散が行われるかというのは死活問題。選挙の準備にかかわってくるからね。でも国民にとってはどうでもいい情報。首相が解散宣言をしたら、後で教えてもらうだけで十分。ところが、永田町の記者の間では、このいつ解散をするかの情報を少しでも早く入手した者が最高の栄誉を与えられる。

 

橋下徹「メディアと大喧嘩のトランプ大統領、馴れ合うよりもよっぽどいい!」 | プレジデントオンライン | PRESIDENT Online

 

実際に記者を経験した方も、同様のことを述べています。

 

日本中にそういう取材のエネルギー、明日わかることを今日書こうとするエネルギーで満ち満ちている。(新聞などのマスメディアが)それにかけるエネルギーというのは、相当すごいと思いますよ。「落とさない」「抜かれない」ための取材というのは結構大変で、夜回りして朝駈けして、「今日は他社に抜かれていないか」と毎日ビクビクしている。でも、読者は誰も求めていないんですよ。そんな「落とさない新聞」とかは。あのエネルギーを調査報道に使ったらどうかと思います。

 

記者2千人の朝日新聞が「調査報道」できないのはなぜか? 朝日出身「ワセダクロニクル」編集長が語る理由(亀松太郎) - 個人 - Yahoo!ニュース

 

お二方に同意です。今日知らなきゃ明日死んでしまう情報なんて、テロと災害情報くらいですよ。そこらへん、勝手に供給側の都合でやられちゃ困ります。そういう意味では、最近調査報道でよく見かけるネットメディアのBuzzFeedなんかは、新しいですよね。

 

あと意外だったのは、安倍さんが就任初期の段階で、すでにオバマさんとは親密な関係になるのは難しいと悟っていたことです。以下本文です。

 

「アメリカ人らしからぬ」内省的なオバマと、少なくとも3年間は向き合わなければならないことになった安倍は、各種の情報を聞いた上で、作戦を立てた。

「ロン・ヤスやブッシュ・小泉のような友情関係をオバマに期待するのは難しい。日本側がやるべきことをきちんとこなして、対等に渡り合える関係を構築するしかない。」

 

表面上では米議会での演説や、広島訪問、最後には真珠湾慰霊など、結構仲よさそうな感じだったのですが、確かにいまいちウマが合わない感じも否めませんでした。

 

安倍首相がオバマ大統領来日について愚痴る 寿司屋に入る前と出る後で表情に違いも

 

今回の本やネットの記事などを読む限り、オバマさんはもともとどの国の首脳に対しても、あんまりオープンではなかったようですね。まあ、こればっかりはオバマさんのパーソナルな問題なので、どうしようもできません。その一方で、現アメリカ大統領のトランプさんはいかにも陽気なアメリカ人って感じです。安倍さんも今のところウマが合ってるようですね。

 

ゴルフでは勝ち目のない安倍首相が持参する「お土産リスト」(歳川 隆雄) | 現代ビジネス | 講談社

 

仲が悪いよりは良いに越したことはないので、このまま仲良くやってもらいたいものです。

 

そして、この本の最後には「ポスト安倍は誰か」みたいなテーマについても書かれたりしていて、僕自身もこの本を読み終えた今は、安倍さんや彼の側近について、読む前とはまた違った見え方がしてくるはずです。ただ、その際に気をつけたいのが「感情移入しすぎない」ことです。確かに、この本を通して安倍さんらのパーソナルな部分が垣間見ることができて、正直彼らには読前より親近感が湧いています。特に安倍さんが友人議員の死に涙してしまう場面や、麻生さんのとことん筋を通す姿には、胸が熱くなることもありました。ただ、そういったバックグラウンドは安倍さんや麻生さんに限らず、皆それぞれ持っているはずで、今回の本を読んだからといって、彼らを特別視するのは危険だなあと、自戒の念を込めてここに書いておきます。そして、そういったことも念頭に置きつつ、これからの安倍政権を注目、監視していこうと思います。

 

とりあえず直近は森友学園問題ですね、どうなることやら。

 

総理 (幻冬舎単行本)

総理 (幻冬舎単行本)