藤本の日記(@Kentaro_Fujimo)

大学生の男です

「人間はAIにできないクリエイティブなことをしよう!」という言葉の無責任さ

 

こんにちは、藤本けんたろう(@Kentaro_Fujimo)です。  

 

落合陽一さんの『超AI時代の生存戦略 ―― シンギュラリティ<2040年代>に備える34のリスト』を読みました。

 

最新著作で盛り上がってる時に、あえて2017年の本を読む、逆張り思考。

 

デジタルネイチャー 生態系を為す汎神化した計算機による侘と寂

デジタルネイチャー 生態系を為す汎神化した計算機による侘と寂

 

 

※悔しいですが、本記事においては引用が多くなります。僕の考察を書くというより、特になるほどなと思った箇所について、僕が噛み砕いたり具体例を乗せていく構成になると思います。

 

今回は、「クリエイティブ」という言葉のまやかしについて、書いていきます。

 

この本、タイトルは超AI時代の生存戦略というんですが、ニュースや記事などでよくAI(人工知能)について取り上げられたとき、決まって最後の締めは 

「機械にできることは機械に任せて、人間は人間にしかできないクリエイティブなことをやろう」です。

 

散々中盤では僕たちの不安を煽っておいて、最後に「うんうん、そうだな!僕たちは僕たちにしかできないことがあるから、それをやっていれは機械にも代替されない...!」

 

と、結局どっちやねーん的なところに着地します。

 

これを本中において、落合さんは

結局のところ、バズを狙ったニュースでの識者の人工知能(AI)についての記述の多くは恐怖を煽るのが目的だ。

不安を用いて衆目を集めページビュー(PV)を稼ぐような台詞回しが多く、結論はクリエイティブという掴みどころのないものを表題にしてやり過ごす。

 

AlphaGOがプロ棋士を破ったとき、当時ニュースで誰かが言っていたか、Twitter でバズっていたのでぼくがなるほどなーと思ったのは、あれは人工知能が人間に勝ったのではなく、あの人工知能作ったエンジニアが、プロ棋士に勝ったのだという指摘でした。

 

それに、職を奪われる云々の観点から言っても、プロ棋士側は一人だが、エンジニア側はチームを組んで複数いると。

 

結局、人工知能が職を生んでいるじゃないか!という着眼点も、そういう考え方もあるのか、といまだに記憶に残っています。

 

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ところで、AIと同じ文脈でよく登場するのが、BI(ベーシックインカム)ですが、よく言われるのは

「AIに仕事は任せて富を作ってもらい、BIで人間はお金を支給してもらい、そして好きなことをして暮らそう!」

という構想です。

 

ただ、この考え方についても落合さんは異論を唱えます。

 

では、この世界のどこにベーシックインカムで暮らせるローカルが存在するか。

それは青いアメリカ(ヒラリー支持)にある。

人間が人間にしかできないこと ― クリエイティブな活動をすることで余暇を潰すことで生きていくような世界は、そしてそれを可能にするほどの富が集まる場所は、そこにしかないだろう。

他のローカルでは機械の歯車として人間も働き続けるのだ。

富を生み出すために、インターネットの端末に混ざって生きていかなければならない。

その上で、持たざるローカルに所属する人々が2040年代の世界をぼんやり想像しながら過ごす余裕があるだろうか?

少なくとも日本ローカルに暮らす私たちにはないはずだ。

機械との親和性を高めコストとして排除されないようにうまく働くか、機械を使いこなした上で他の人間から職を奪うしかないのだ。

この構図は機械対人間ではなく、「人間」と「機械親和性の高い人間」との戦いに他ならないのだから。

(中略)

ここには、「クリエイティブなことをして過ごす」というあやふやな結論は存在しない。

 

最後の最後まで、しびれる言葉を編み出してくれます。

 

今のような機械が人と同様に自律的に社会に参画する時代より前に考えなければいけないのは、人対人の終わらない争いだと思う

 

第2回:いまコミュニティが流行っている理由と、グローバルとローカルに優劣はないって話

第3回:淡々とやり続けることの大事さと、自分の好きなことの見つけかた

第4回:超AI時代、人間が身につけておくべきスキルとは

第5回:じぶんの仕事で忙しい人ほど、SNSをやるべき理由

第6回:ぼくたちが今の時代にすべきことは、筋トレ。

 

超AI時代の生存戦略 ―― シンギュラリティ<2040年代>に備える34のリスト

超AI時代の生存戦略 ―― シンギュラリティ<2040年代>に備える34のリスト

 

 

 

インハウスエディターの役割とは

 

こんにちは、藤本けんたろう(@Kentaro_Fujimo)です。

 

先月の5月23日(水)、『PR視点で企業価値を高める 「インハウスエディター 」の役割』というテーマのイベントに行ってきました。

 

「インハウスエディター」とか「インナーブランディング」みたいな単語を最近よく聞くけど、いまいち実態がつかめていませんでした。もしかしたら、既存の役割にそれっぽい新しい肩書がついただけかもしれません。

 

「それはなんぞや??」をまずは知らねばと、イベントに行ってきました。登壇者は、「サイボウズ式」編集長の藤村能光(ふじむら よしみつ)さんと、「北欧、暮らしの道具店」編集チームマネージャーの津田(つだ)さん。モデレーターは、大島悠(おおしま ゆう)さんです。

 

 

インハウスエディターの役割

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まずはこれ。サイボウズ式編集長の藤村さんが出されていた、「インハウスエディターの接する領域」に関する図です。中心に「サイボウズ」という組織があって、一番外側がいわゆる「ステークホルダー」にあたります。そして、その接点となるのが「サイボウズ式」というメディアなわけです。

 

ただ、イベントの中で強調されていたのは、「インハウスエディターの役割 オウンドメディアの編集 」ということ。メディアはあくまでも基盤であって、企業が発したいメッセージを伝える1手段でしかないのです。

 

インハウスエディターの出すコンテンツは、金太郎飴であるべし!?

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イベントに出てきた話で、僕が特に印象に残ったのは、「インハウスエディターの出すコンテンツは、常に金太郎飴であれ」という話です。


金太郎飴って、世間的にはマイナスの表現で使われることが多いんですが、「ブランディング」という文脈においては、むしろプラスに働くんだなと。

 

この言葉の真意は、「同じコンテンツを出し続けろ」ということではなく、「同じメッセージ(企業が発したいメッセージ)を出し続けろ」というものです。


具現化されたものは毎回違えど、その背景にあるメッセージ、理念は常に一貫し続けているべきだという話が出ていて、なるほどなーと思いました。

 

インハウスエディターをいかに育てるか

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あとは、インハウスエディターの社内教育について、いかに新しいメンバーにその企業が発したいメッセージを浸透させていくのかという話も、面白かったです。

 

そのメッセージって、別に言語化できない訳じゃないんだけど、言語化されたものを伝えただけじゃ完全には伝わらないもどかしさ。
 

言語化だけじゃ完全には伝わらないから、結局、現場で試行錯誤してもらいながら肌感覚で掴んでいってもらうしかないと。

 

その際の例えが、人間の体を構成している元素を全部揃えても、人間は出来上がらないっていうのが、妙に納得感がありました。

 

インハウスエディターって本当に必要なの?

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ただ最後に一つ、僕の中でまだ腑に落ちてないところがあるとすれば、いま高まっていると言われるインハウスエディターの需要が、一過性のものなのか、少なくとも向こう20年くらいは高まっていくものなのか?というところです。

 

今後はより個人単位、プロジェクト単位での動きが増えていくだろうから、そうなった時に、わざわざそんな急造組織に理念もクソあるのかと。


単に最近のビジョナリー経営に乗っかているだけなのか、世の中で本当に求められている役割なのかどうかは、まだもう少し自分の中で考えます!

 

★最近の発見

 

ビジネスメディアの旨み、マネタイズの仕方

 

こんにちは、藤本けんたろう(@Kentaro_Fujimo)です。

 

先日、モリジュンヤさん(@JUNYAmori)と長谷川リョーさん(@_ryh)による、「注目の若手2名が語る、 新時代ビジネスメディアの編集者像とは?」というイベントに行ってきました。

 

「そこまで詳しくしゃべってくれるの!?」「これ無料でいいの!?」っていうくらい驚きと発見が満載の内容だったので、お二人が話されたことを、僕の解釈でまとめます。

 

 

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ビジネスメディアの旨み

 

まず現状として、ビジネス領域のライター・編集者は、音楽のカルチャー領域などと比較して、圧倒的に足りていないのだそうです。

 

けれども実は、ビジネス領域のメディアをやっていれば、旨みがいっぱいあると。

 

その中で特に大きいのが、仕入れるネタの汎用性の高さ」です。

 

日々、新しいビジネスモデルやテクノロジーに触れていると、その情報をそのまま、違う場所でも活かすことができます。

 

例えば、面白いビジネスモデルがあれば、それをそのまま、自身が運営するメディアに当てはめることなど。

 

また、後で詳述するのですが、そうやってトレンドを集め続けていると、クライアントや取材先の企業に対して、メディアとしてだけではなく、企業戦略などを伴走して考えるなどの、コンサルティングのような形でも接することができます。

 

そうなると、よりクライアント企業の上流工程から関われるので、単価を上げることが可能です。

 

ビジネスメディアのマネタイズの仕方

 

稼げない稼げないと言われて久しい「メディア」ですが、マネタイズを意識していくにあたり、大事なことは「一人のお客さんからの単価を上げる」ことと、「新しいお客さんを増やす」ことです。

 

後者の「新しいお客さんを増やす」をもう少し噛み砕くと、今そのメディアが持っている資産を活用して、そこまで工数を増やさずに、新しい価値を提供して、お客さんを増やすという意味です。

 

(ネット)メディアのマネタイズに関しては、長い間に渡って議論されている、かなり切実な問題で、先日のしおたんさん(@ciotan)の記事でも話題に上がっていました。

 

milieu.ink

 

で、この記事にも今回のイベントにも出演しているモリジュンヤさんさんがおっしゃっていたのが、「メディアのキャッシュポイント少なすぎ問題」

 

要は、一つの記事を作るってすごい大変なことなのに、キャッシュポイントが基本的に「記事を納品する」の一点しかないと。

 

本当は、下調べをしたり、インタビューをしたり、文字起こしをしたりと、記事ができるまでに色々な工数を踏んでいるのにも関わらず、最後の出口しかキャッシュポイントがありません。

 

これは飲食店も同じだそうで、自分たちの空間に1時間や2時間も滞在してもらいながら、キャッシュポイントが最後のレジだけ(料理に対してだけ)というのは、「お金の稼ぎ方1.0」だと言っていて、なるほどなーと思いました。

 

なので、ポイントはいかようにしてキャッシュポイントを増やしていくのか(単価を上げるのか)という話なんですが、その一つが、さっき少しだけ出てきた「企業戦略などの上流工程から関わる」というものです。

 

日々、新しいビジネスモデルやテクノロジー仕入れ続けるなかで、それを「記事」という形だけではなく、「コンサルティング」のような形でもアウトプットしていくのです。

 

これは確かに、ビジネスメディアならではの、新しい価値の出し方だなと思いました。

 

ちなみにですが、対クライアントで上流工程まで関わっていくにあたり、「メディア側の立場を強くする」ことが大事だというような話も出ていました。

 

日々こういったイベントやSNSで、活動内容や実績、考えていることを地道に発信し続けることで、インバウンドでの案件が出てくるんだと。

 

今、モリジュンヤさんは10件相談が来てそのうち1~2件を受けるペース、逆に言えばモリさん側から積極的にいわゆる「営業」をすることはないと言っていて、30代前半でその領域に入れるモリさんすげーと、一人で感嘆していました。

 

少し横道に逸れましたが、メディアのマネタイズ2つ目の道「新しいお客さんを増やす」についても、基本的には前者と同じです。持っている資産を、いかに活用するか。

 

その例の一つとして挙げられていたのは、「業界やトレンドのリサーチ」。

 

インタビューや、それこそ企業戦略の相談に乗るのなら、その業界やトレンドに対して圧倒的な量の下調べをせねばなりません。

 

今までのメディアはここの工程がうまく可視化されていなかったのですが、ここで蓄積された情報をうまくレポートのようなフォーマットに落とし込むことができれば、それは十分な価値として世に提供することができます。

 

こういった情報を欲している企業や個人は少なからずいるはずなので、今までメディアが当たり前のようにやっていた「下調べ」という行為は、実はすごいポテンシャルを秘めたものだったのです。

 

以上がビジネスメディアにおける、「単価の上げ方」と「新しいお客さんの増やし方」でした。

 

そもそもメディアが稼ぐ必要はあるのか?

 

ここまで散々、イベント話された数あるテーマの中から、特に「お金」を切り出して話してきました。

 

なぜなら、ライター・編集者を含めたいわゆる「クリエイティブ」な職業(他には漫画、アニメ、美術など)は、普段キャッシュポイントやマネタイズといった観点から話されることが少ないから。

 

こういった職種は「好きなことができて、お金は最低限あればいい」「個人で属人的にやって、2000~3000万稼げればいい」みたいな人が多いのです。

 

僕も、今まではそっち側の人でした。まあ、2000~3000万稼ぐのも多分結構すごいことだとは思うんですが、最近は少しずつ考え方が変わってきてます。

 

やっぱり、どうせやるならもっと発信力や影響力を持って世の中に「いい」情報を広めたいし、より世の中に価値を提供したいです。

 

そうなると必然的にスケールや組織化みたいな話にたどり着くんですが、「メディアって、どうやって稼ぐんだ!?」をずっと考えていて、なかなか「これだ!」というアイデアが出ていませんでした。

 

それが今回のモリジュンヤさんと長谷川リョーさんのイベントでは、すごくたくさんのヒントを得られて、とても有意義な機会になりました。

 

あともう一個、今回のイベントを通して僕が考えたこととして、「メディアはこの世に必要か」みたいな話も、僕の頭の中が整理され次第書きます。

 

とりあえず今回は、「ビジネスメディアの旨み、マネタイズの仕方 ~最後ちょっと僕の個人的な話も添えて~」でした。

 

★メディアが、上流工程から関わる意義

 

「若者は地方へ行け!」は、半分正解で半分間違い

 

こんにちは、藤本けんたろう(@Kentaro_Fujimo)です。

 

先週の5月31日(木)、箕輪さんと今井さんによるトークイベントが行われました。なんと学生限定&無料!これは行くっきゃない。

 

今井さんは、10代の時にイラク武装組織の人質となりました。今は、通信・定時制高校の生徒と、多様な職種や経験をもつオトナ(大学生・社会人)をつなぎ合わせる事業を、主に行っています。

 

テーマは、「次世代の才能を編集する」です。

 

若者×地方×東京

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僕が最近結構考えているのが、「みんな地方地方って言うけど、それ本当なの!?」です。

 

箕輪さんは地方へ積極的に講演しに行き、拠点も作っています。柿次郎さんも長野との2拠点生活やってるし、イケハヤさんは高知の山奥に住んでいます。

 

特に若者は、優秀であれば地方で頭角を現しやすいなんて話も聞くのですが、実際のところどうなんだろうと。

 

僕の個人的な話で言うと、今は東京で休学してインターンやってますが、出身と通ってる大学は、どちらも兵庫県にあります。

 

www.wantedly.com

 

今のこの若いときの時間を、東京でベットしたほうがいいのか、もしくは地元含めた地方がいいのか、なんてことを考えたりもしてます。

 

大阪を拠点に活動されてる今井さんと、積極的に地方展開されてる箕輪さんに、それぞれの見解を聞いてみたくて、対談終了後に質問しました。

 

まず、今井さんは「やっぱり、人にすぐ会えないのは大変かな」という言葉。

 

僕も、すごく同意でした。

 

やっぱり、面白い人がいる人数は、国内だと圧倒的に東京が多いと思います。

 

物理的に離れたところにいると、そういった人たちとオフラインでのコミュニケーションが取りづらい。

 

確かにそれは、一個デメリットではあるなと思いました。実際今井さんも、今後は東京に滞在する時間を増やしていくと言っていました。

 

次に、箕輪さん。前提として「地方の方がブルーオーシャンうんたら」みたいな話は、あくまでも二次的な要素だと。まあ確かに、それはおっしゃる通りだなと。場所はあまり本質ではありません。

 

その上で、それを踏まえて戦略的にそこへ飛び込むのはアリだと。倒産しかけの地方銀行を救ったりなんかしたら、一躍ヒーローになれます。

 

そして、正攻法として地方に攻め込んでいくにあたっては、一旦東京での基盤が必要だという話をされていて、すごく腑に落ちました。

 

具体的には、東京で一度上り詰めた実績や信用、あるいは人脈なんかがあってこそ、「その人×地方」が生きてくるのだと。

 

確かに箕輪さんも柿次郎さんもイケハヤさんも、みんな東京で実績を築いてから、地方に展開しています。

 

そういうパイプなしに地方であがいていても、結局井の中の蛙になってしまって、その先のステージに行けないだろうと言っていました。ああ、なんかすごい納得。

 

逆にそういう意味では、実績や人脈づくりという点においては、東京の方がやりやすさはあるなと。

 

先述した「面白い人がたくさんいる」であったり、情報、お金、インフラ、メディアの中枢などが集積しているからです。

 

地方で活動していくにしても、まずは東京で資産を培って、それにレバレッジを効かせていくという順番が、一番打率は高いのかなと解釈しました。

 

お金は無色透明

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もう一つ、対談中で面白かったのが、「お金は無色透明」という話です。

 

きっかけは、先日Twitter上で「せりか基金」の一環として、シリコンバンドを購入するムーブメントが起こったことでした。

 

僕も「せりか基金」について詳細を把握しきれてないので、もし間違っていたらすいません。

 

要は、そのシリコンバンドを買うと、売上が「せりか基金」として、ALSという病気の原因究明、治療研究費に充てられるというものです。

 

その活動を盛り上げようとして、コルクの佐渡島さんや箕輪さん、そして今井さんなどが「おれは10本買った!」「おれは11本!」「じゃあ12!」といった感じで、Twitter上でシリコンバンドをたくさん買っていました。

 

ただ、本当は100本くらいまで行きたかったらしいのですが、途中で止まってしまい、せりか基金の活動に関わっている佐渡島さんは「どうして盛り上がり切らなかったのだろう?」と考えていたそうです。

 

それで、これがもし箕輪さんの抱えるコミュニティだったら、もっと盛り上がっていたかもしれないという話になりました。

 

つまり、箕輪さんと佐渡島さん、それぞれのコミュニティ内にいる人の特性の違い、という話に帰結、、、しかけたそうなんですが、対談中では箕輪さんがもう一つの仮説を唱えていました。

 

それが、そもそも「せりか基金」といういわゆる「堅い」ムーブメントの場合、その過程をお祭りにしてしまうのは良くないのではと、心理的ブロックが働いたというもの。

 

そんな崇高な目的のために使われるお金を、遊び半分で集めるのは良くないと、皆が思ったのかもしれないと。

 

ただ、そこで箕輪さんは「でもね、お金なんて無色透明だよ」と言います。

 

どんな過程、気持ちで集まろうが、100万円は100万円だと。本来、お金そのものにはなんの意味もないんだからという話です。

 

箕輪さん曰く、「お金に執着がある人ほど、お金に色をつけたがる」んだそうです。

 

例えば堀江さんなど、世間から「金の亡者」として見られる人ほど、実はお金に無頓着で、執着がある人ほど、それに対して何か意味を見出そうとすると。

 

なるほどなーとは思いましたが、お金がどこまで無色透明なのか、これは僕の中での検討課題です。

 

「お金は無色透明」なんて言われながら、一方で「お金はコミュニケーションの一手段」なんて言われたりもするので、完全に透けきっているわけではないなというのが、僕の現時点での肌感覚です。

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以上2点が、今回のイベントで特に勉強になったことです!

 

...にしても、会場だったCAMP FIREさんのオフィスがカッコよすぎたな。。

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★今朝のツイート

ベーシックインカムとは?

 

こんにちは、藤本けんたろう(@Kentaro_Fujimo)です。

 

 

ベーシックインカムとは?


ベーシックインカムとは、一言で言うと、

 

「国民の全員が、働いても働かなくても、ある一定(最低限、生活するのに困らない金額)のお金が自動的にもらえる制度」

です。

 

何それ、めっちゃいいんじゃん!?

働かなくてもお金がもらえる!?

 

そうです、働かなくてもお金がもらえます。

 

でも同時にこうも思ったはずです。

 

「だったら、働きたくない」

 

そうなんです、ここがこの制度の賛否を二分する、最大の論点の一つです。

 

つまり、働かなくてもお金もらえるんだったら、みんな働かなくなって、みんなダメダメになっていくんじゃないか?というのが、反対派の主張です。

 

ちなみに僕は、賛成派です。

 

じゃあ何で賛成派の人たちは、一見、こんな皆がダメダメになっていきそうな制度を推進してるのか?

 

色々と理由はありますが、その中でも最大の理由の一つは、「まあ、ダメダメになりたい人は、ダメダメになってもいいんじゃね?」です。  

 

どういうことかと言うと、昔は、皆が一所懸命、汗水たらして働かんと、食べ物は無かったし、着る服もなければ、乗る車もなかった。

けど、今はそういった仕事はどんどん機械が代わりにやってくれるようになってきた。

そして、これからはAI(人工知能)っていう、さらにすごい機械が、今までは人間にしか出来ないって言われていたような仕事も、代わりにできるようになるだろう。

だから、我々人間は、今までのお金をもらうためだけにやっていた、つまらない労働からは解放されて、どんどん遊ぼうじゃないか!

ってことです。

 

さっき言った、「まあ、ダメダメになりたい人はダメダメになってもいいんじゃね?」っていうのは、実は悪魔の言葉じゃなくて、

 

「遊びたい人は、もう仕事は機械がやってくれるから、遊んでいいんだよ」

っていう、天使の言葉です。

 

 

ベーシックインカムの良いところ4つ

 

①仕事をする目的が、生きるためから、自分の夢や目標の実現ためへと変わる

制度の理念としては、これが1番大きな面だと思います。


昔は人間が働かなければ、食べるものも無ければ、着る服もなく、乗る車もありませんでした。


つまり、人間は「生きる」ために、働かなければならなかったんです。


しかし、我々人類は、そうやってせっせと働く中で便利なものを発明しました。

 

そうです、「機械」です。

 

我々は機械を発明ました。そして今は、AI(人工知能)という、さらにすごい機械を発明しています。


機械は我々の代わりに働いてくれます。しかも、「疲れたー」や「腹減ったー」、「もっと給料よこせー」など、グダグダ文句を言いません。アメノヒモカゼノヒモ、真面目に24時間、働き続けます。そのくせ、人間より、ミスが少ない(正しく作れば)。

そんな有能な社畜野郎が代わりに働いてくれれば、我々はもう働く必要がなくなります。


生きるための労働が必要なくなれば、我々が働く目的は「自分の夢や目標の実現のため」になります。


労働の義務から解放された良い社会です。

 

②真のセーフティネットになれる

 

①とも少し関連するのですが、機械は人間よりもミスなく働きます。つまり、労働力は機械に代替されます。結果、大半の人間が今存在している職業には就かなくなります。その際に、ベーシックインカムがあれば安心です。


また、日本に限って言えば、日本では解雇規制があるために雇用の流動性がなく、斜陽産業から成長産業へと人が流れない問題があると言われています。


ベーシックインカムがあれば企業側も解雇をしやすくなり、人の移動が起きやすくなったり、能力のない人を無駄に雇用しておく必要がなくなります。

 

あと一応付け加えておくと、確かに今でも「生活保護制度」というのはあります。ただ、生活保護制度だと、とてつもなくめんどくさい手続きを経て、なおかつそこから行政側の判断によって受給できるかどうかが決まってしまいます。

 

これだと、プロセスの中にとんでもない無駄が入り込むし、行政の恣意性により、受給すべき人が受給できず、本来保護を受けなくてもいい人が保護されているという問題があります。

 

さらに、仮に受給できたとしても、「自分は自分の生活していく分のお金も稼げないのか」という思いなどから、後ろめたい気持ちになり、これは人間の自尊心の面からも非常に問題があります。


これから多くの人が今ある職業から失業、もしくは新しい仕事を見つけていくのに、そんなに多くの人が自尊心を失ってしまえば、社会の活力がなくなってしまいます。

 

ベーシックインカムなら、皆が一律にもらっているので、そんな問題も解決されます。

 

③働きたい人、能力の高い人だけが働くようになるので、効率よく富が生み出される

ベーシックインカムの反対派の意見としてよく挙げられるのが、「みんなの労働意欲なくなるんじゃね?」っていうのです。これに関しては正直僕、全く心配しておりません。


というのも、そもそもが機械が代わりに働いてくれるからベーシックインカムという話が出てきたわけですし、最低限のお金もらって働くのやめるような人は元々働かない方がよいような人です(のはずです)。


その分を、機械や能力の高い人が働いた方が効率よく成果が出ます。


機械や能力の高い人が効率よく生み出した富を、税金で回収して、それを再分配しよう!というのがベーシックインカムのお金の流れです。

 

④スリムな行政になれる

実はこの4つ目のメリットが、ベーシックインカムがなかなか導入されない(特に日本では議論の俎上にも載らない)最大の要因だと、僕個人的には思っています。


どういうことかというと、このベーシックインカムは今ある社会保障制度のほとんどを、ベーシックインカムに統一してしまおう!ということなんですね。


例えば、生活保護や年金、などです。まずこの時点で、シンプルな制度になるということで、行政の仕事が少なくなります。また、生活保護と違って、所得の捕捉をする必要がなくなるので、そこでまた行政の仕事が減ります。


今までも制度をどんどん複雑にすることによって自分たちの仕事を増やして、権力を拡大してきた官僚たちが、わざわざ自分たちの仕事が減るような制度を導入するとは考えづらいです。


日本での導入の場合、ここが最大のネックポイントになるかなと思います。

 

以上の4つが、僕の考えるベーシックインカムの利点です。

 

ベーシックインカムの「お金」の問題

 

この章ではベーシックインカムの「お金」の問題、つまり、懸念点の方について書いていこうと思います。

お金の問題に関しては「労働意欲の減退」と並ぶ、反対派の主張ツートップの一角として君臨しています。(労働意欲の減退については、前章にて説明済)

 

まあ具体的に言うと、「1人何円配るんだー?」「大人と子供で金額に差はつけるのかー?」「財源はどこにあるんだー?」っていうところですね。

 

まず、「1人何円配るんだー?」ですが、これはとりあえず7万円とします。

 

色々と試算してみたんですけど、途中から訳分からなくなって、結局、まあ生活費なんて十人十色だよねっていう、小学生でも分かるような結論に落ち着いてしまいました。

とりあえず7万円で計算してみます。まあ別に、最低限の生活送る金額の足しとして、少なすぎることはないと思います。

 

次に「大人と子供で金額に差はつけるのかー?」ですけど、僕は基本的に同額でいいと思っています。元々生活費なんて人それぞれだよねってことで7万円にしたわけですし、子供と大人で差をつける意味はあまりないです。

 

制度のシンプルさもベーシックインカムの売りです。子供は一応、親と一緒に過ごして、お金の管理は親がすることになると思うんですけど、子育てにも色々とお金かかりますからね、一緒でいいです。どうしてもっていうなら、子供への支給額を若干下げて、その分大人に回してもいいですけが。

 

最後、「財源はどこにあるんだー?」問題ですね。これがお金の問題の中でもラスボスだと思います。

では、ざっくり計算していきます。


ちなみに僕そんなに数字に強くないので、複雑な計算とかはしません。というか、できません。

 

最初は必要な金額ですね。それが分からないと、何も始まりません。

 

まず、毎月7万円で、12ヶ月だから、年間で1人84万円必要です。

 

今、日本の人口が大体1億2千万人なので、全体で年間約100兆です。

 

では、次にこの金額をどうやって捻出していくか考えていきましょう。

 

増税します。


すいません、これは、致し方ありません。今の日本の国家予算が約100兆円なので、ベーシックインカムだけですでに現時点での国家予算規模になってしまいます。

 

では、何を増税するのが良いのでしょうか?

 

下のグラフを見てください。

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グラフは、平成28年度のものなんですけど、歳入税制ベスト3は、「所得税」「法人税」「消費税」です。

 

財源として、相続税100%だー!みたいな意見もあったんですけど、そんなちっぽけな財源、100%にしたところで気休め程度にしかなりません。なので、財源としては却下です。

 

ということで、上の3つの内、どれかを増税するということになります。

 

結論から言えば、「消費税」です。

 

これも、ネットでは「所得税」の累進課税を強化して、金持ちから巻き上げろー!みたいなのが多かったんですけど、却下です。金持ちから回収して、再分配するというところは賛成ですが…。

 

なぜかというと、所得税は金持ちであればあるほど、きちんとした捕捉が難しいです。最近は「パナマ文書」なんかも話題になっていますが、お金持ちの人はリスク回避や節税の意味も込めて資産を分散させます。

 

また、最近は仮想通貨もどんどん盛り上がってきて、正確な捕捉はどんどん難しくなっていきます。

 

ですので「所得税」は却下です。

次の「法人税」は文句無しで却下です。

 

これから、日本、特に東京は国内でチマチマ争い合ってないで、世界の都市と戦っていかなければなりません。シンガポールなどは法人税を低くして、どんどん企業を誘致しています。

 

そんな中、国際競争力をつけなければならないのに、法人税増税するのは時代に逆行します。むしろ、大企業がどんどん出て行ってしまい、税収が下がってしまいます。だから、却下です。

 

で、「消費税」です。決して消去法ではありません。ちゃんと理由があります。

 

まず、消費税は所得税と違い、確実に捕捉ができます。100万円の所得に完全に税をかけることは無理ですが、100万円の消費に完全に税をかけることはできます。その場で払いますからね。

 

次に、消費税は法人税と違い、多少増税されても納税者が逃げることはありません。法人税なら、企業に外国へ逃げられたら終わりですが、消費税で、わざわざ税逃れのために家を移す人はなかなかいないでしょう。コストが高すぎます。

 

そして、日本では資産の大半は高齢者が持っているといわれています。つまり、日本の経済を活性化させるためには、高齢者にお金を使ってもらう必要があるのです。所得税法人税なら無理でも、消費税ならリタイアした高齢者でも納税できます。

 

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では、なぜ高齢者はお金を持ってるのに使わないのでしょう?

 

それは、将来が不安だからです。

 

麻生さんも言ってます。

mainichi.jp

 

しかし、この問題もベーシックインカムセーフティネットができれば、高齢者は心置きなく貯蓄を消費に回すことができます。

 

1つ付け加えておくと、ときたま「消費税は税率が貧富の差に関係なく一律だから、貧困層に不利だ!」みたいな主張を見かけます。つまり、お金持ってない人の方が持ってる人よりも消費に占める税の割合が大きいから、低所得者の負担"感"が大きいってことです。

 

僕は、それは間違ってると思います。


大きいのは、低所得者の負担ではなく、負担「感」です。現在でも、高所得者高所得者なりにそれなりの消費をして、それに準じた消費税を払っています。絶対額で見れば、高所得者の方が明らかに負担が大きいです。なので、「消費税は逆進性のある税制だ」という主張は、間違ってると思います。

 

はい、ということで消費税を試算したベーシックインカムの財源(100兆円)に加えていきましょう。では、消費税は何%にするのか?とりあえず、25%でいきましょう。北欧とかだとそういう国もあるので。そんなにヤバイ数字ではないです。

 

本当かどうかは分かりませんが、ネットで調べてると、一応、消費税1%上げるにつき2兆円歳入が増えるらしいです。これに従えば現在の8%から17%分増えるので、17×2兆で34兆円増ですね。現在の消費税での歳入が約18兆円なので、合わせて52兆円、約50兆円です。

 

さて、残りの財源も考えていきましょう。

 

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年金はベーシックインカムへ統合されるので、消費税の50兆円+この年金分の56兆円=106兆円分で、とりあえずは100兆円分超えました。


ただ、これは本当にとりあえずです。

 

年金の財源は税金で賄われている分もあり、消費税の分と重複があったりします。

 

ただ、これ以外にも同じく統合される生活保護の分のお金や、制度の簡素化による人員やシステムの維持費などが削減できます。年金や雇用保険として納められている保険料も、ベーシックインカムの財源に充ててしまいましょう。

 

何とか100兆円分なら、調達できるのではないでしょうか??

 

ここまで、僕のベーシックインカムについての考えを書いてきました。

ベーシックインカムによる移民難民流入の問題など、議論すべき課題もまだまだあると思いますが、本気で検討する価値は十分ある制度です。

 

海外ではどんどん小規模で実験的に導入される例も増えてきてるので、これからも、ベーシックインカムの動向を見守っていきたいと思います。

 

※この記事は、2016年の6月頃にnoteで書いた記事の転載です。

 

★今朝のツイート

 

ロジカルシンキング命!は、もうオワコン

 

こんにちは、藤本けんたろうです。

 

先日、インターンしている会社の上司に勧められて、『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』という本を読みました。

  

 

僕にとって、良い本の定義は「習慣が変わる」ものです。次に「考え方が変わる本」。

 

そしてあまり良くないのが、「めちゃくちゃ納得する本」です。これは自己満でしかないので。

 

ちなみに今回は習慣が変わったので、結論から言うと、とても良い本でした。

 

僕の習慣が変わった話は最後にするとして、まずは本の内容を僕なりにまとめます。

 

全体の趣旨は

ロジカルシンキングだけで、世の中の課題を解決するのにはもう限界が来ている。だから、もっと感性を重視しよう」

です。 

 

主な理由としては、以下の3つです。

  1. 情報量が多くなりすぎて、人間の思考力では課題を認識しきれなくなった。
  2. 消費性プロダクトに求めるものが、「機能」から「物語・ビジョン」に変わった。
  3. 世の中の変化が早くなりすぎて、ロジカルシンキングの長である法律が、実情を反映しなくなった。

 

※ここから話すことは、著者である山口周さんの意見ではなく、本を読んだ僕なりの解釈です。

 

① 情報量が多くなりすぎて、人間の思考力では課題を認識しきれなくなった。

 

まず上記の内容について読んだ時、真っ先に思い浮かんだのは、2年ほど前に読んだメタップス佐藤航陽さんのブログでした。

 

ロジカルシンキングの弱点を考えてみた:ロジックを超えたロジックの話 | 佐藤航陽のブログ

 

読んだ当時は、まだ僕が大学生になったばかりの頃でした。

 

大学が新入生へ行う就活セミナーを聞いていると、企業が学生に求めるもの第1位に「コミュニケーション能力」、そして第2位が「ロジカルシンキング」、(ちなみに第3位「主体性」)みたいな感じでした。

 

つまり、当時は頭の中に「コミュニケーション能力」「ロジカルシンキング」のことしかありませんでした。

 

なので佐藤さんのブログを読んだ時も、内容自体を理解はできたものの、心の中では「そんなの一部だけの話でしょ...」と完全には受け入れていませんでした。

 

それから2年ほど経ち、世の中や僕自身の考え方の変化もあって、ようやく自分なりに落とし込むことができつつあります。

 

①の内容をもう少し細かく説明すると、「今の世の中は情報量が多くなりすぎて、もはや人間の思考力では、課題やその解決策が見えなくなった」ということです。   

 

あとは、③の項目で詳述しますが、世の中の情報量が多くなるとと同時に、世の中の変化も早くなりまくっています。

 

なので、いちいちロジカルに説明できるだけの材料がそろうのを待っていたら、世の中に置いていかれてしまいます。

 

あと、ロジカルシンキングへの偏重は、「天才」をつぶします。情報量が多くなりすぎて思考が追いつかいないのは僕たち「凡人」の話で、「天才」は肌感でその解決策を持っています。

 

そんなとき「そんな直感はけしからん」としてしまうと、せっかくの天才の解決策を台無しにします。

 

ただそこで絶対に履き違えるとダメなのが、「非論理」と「超論理」は似て非なるものだということです。

 

論理的に考えると明らかにおかしいものを、「直感だ!」といって突き通すのは単なる「非論理」です。

 

そうではなくて、論理立てて考えてもどうしても解決策が出ないところで、最後の一手として出すものこそが「超論理」です。

 

無論、本著の内容が指し示しているのは後者です。

 

つまり、「論理」と「感性」は二元論で捉えるのではなく、両輪で走らせるものです。

 

その走らせ方としてもう少し具体的に見ていくと、先ほど挙げたような「論理」ではどうしようもないところで、最後の決定打として「感性」を用いるのがあります。

 

あと逆に、最初に浮かんだ「感性」ベースのアイデアを、「論理」で再検証するやり方もアリです。

 

とにかく、どちらかではなく「どちらも」大事にしようという話でした。

 

② 消費性プロダクトに求めるものが、「機能」から「物語・ビジョン」に変わった。

 

すごく手垢のついた言い方だと、「モノ消費からコト消費へ」です。

 

ぶっちゃけ、これだけテクノロジーと情報が行き渡っている時代に「純粋な機能」で差別化を図るのは、とても難しいです。

 

あと、ロジカルシンキングも世の中に普及しすぎて、そこから導き出される解答がみんな似たり寄ったりになっています。(同じ情報持ってて、同じ考え方だったら、そりゃ同じ答えが出てくるよねということ)

 

結果として会社経営にしてもサービス開発にしても、差別化が図りにくくなってきています。

 

じゃあ、いわば「全く同じ」商品ばかりが棚に並んでいるなかで、消費者が何をもとに選択するかというと「その背後にあるストーリーやビジョン」です。

 

消費者はその「ストーリーやビジョン」を購入することで、自己表現をしています。

 

では、その「ストーリーやビジョン」は何から生まれるのかというと「感性」です。

 

ストーリーやビジョンはその人オリジナルのもので、それが生み出された過程も、また選ぶ消費者の選択にも、論理的な都合は一切含まれていません。

 

「論理的」に作られたプロダクトを、最後に差別化するのは「感性」です。

 

③世の中の変化が早くなりすぎて、ロジカルシンキングの長である法律が、実情を反映しなくなった。

 

現状、世の中の一般的な良い悪いの基準は「法律」に依っています。

 

ただ実は、僕たちは自分の中にもう一つの基準を持っていて、それは「感情」です。

 

ここでは、ロジカルシンキングが法律、感性が感情とリンクしており、もしロジカルシンキングだけに偏重してしまうと、極端な話「法律は破ってないんだから(何やっても)いいだろ」という話になってしまいます。

 

ただ実際、世の中で受け入れられるためには、法律だけでなく「(ユーザーの)感情」もマークしておかなければなりません。

  

具体的な例はUberです。まだ法律が整備されてないタイミングで各国に進出し、どんどん普及させていきました。「法律」上では、一応グレーです。

 

ただ、そんな強引な進出の仕方をしたために、現地のタクシー会社と真正面から激突し、結局強い規制を敷かれてしまいました。タクシー会社の「感情」を、掴みきれなかったのです。

 

そして、ここからの変化っぷりもいい感じに教科書になっていて、最近のUberは、現地のタクシー会社や、日本だと地方の役所と組み始めています。

 

まずはシステムだけでも提供したり、小さなエリアからスタートしたりと、徐々に浸透させていくことによって、「感情」の反発も起きないようにしています。

 

この項の話に関しては、それ自体(法律だけでなく感情にも左右される)が良いとか悪いとかっていう話ではないのかなと感じています。

 

実際問題として、「感情」もセットで遵守しないといけないんだから、そうした方が結果的に世の中を早く変えられるよねという話です。急がば回れ

 

本の内容はここまでです。

 

僕の変わった「習慣」

 

ここから先は、本著を読んで僕が実際に始めた「美意識」の磨き方を2つ紹介します。

 

①カメラを買った

「美意識の鍛え方」として、本著内では美術鑑賞が推奨されていたのですが、なんか見るだけよりも、こちらから能動的にアクションを起こすやり方のほうがいいなと思いました。

 

あとは、美術館に行くよりも写真を撮る方が気軽にできるし、ライティングとのシナジーも大きいなと思って、canonのカメラを買いました。

 

②文学、詩、哲学書なども読み始める

雑に言うと「教養」 を身につけます。今までは、ほぼビジネス書しか読んでこなかったんですが、これからはこういった「すぐには役に立たない知識」も身につけていきます。

 

読書のジャンルを広げた目的は、大きく2つあります。

 

a.人の「感性」を揺さぶる

僕は、今まではプレゼンや演説、士気などを軽視してる節がありました。結局「実」が大事だろ!と。

 

大事なのは確かに大事なんですが、それと並行して、それらを的確に伝える術も必要だなと考えを改めつつあります。

 

今、『キングダム』にめちゃくちゃハマってるんですが、けっこう将軍の檄(げき)で士気が上がるシーンを見かけます。実際にそうだったのかは分かりませんが、それを見ながら「ああ、人に伝えるっていうのも大事だな」と思うようになりました。

 

つまり「言葉や伝え方のセンス」を磨くために、文学、詩やそして哲学書を読みます。

 

b.思想を身につける

これは宗教とかそういう話ではなくで、「情報過多」「機能ではなくストーリーやビジョンで差別化する」話と関連するものです。

 

まず「情報過多」の現代において、今日の常識は明日の非常識です。つまり、小手先のテクニックを身につけても、あまり役に立ちません。

 

それよりも重要なのは、何年経っても廃れない「思考の根幹」です。ここの土台さえしっかり作っておけば、どれだけ変化の早い時代にあっても、指針を見失うことはありません。

 

また、ストーりーやビジョンの話に関しては、結局僕たちの「思考の根幹=思想」こそが、そのままストーリーになり、ビジョンになります。

 

つまり、いかに揺るぎない思想を持つかが、そのまま他者との差別化につながるのです。

 

だから僕は、小説も読むし、詩も読むし、哲学書も読みます。

 

早速、劇団ひとりさんの「陰日向に咲く」という、小説をよんだのですが、面白かったですね。

 

 

こんな感じで、「習慣」まで変わってしまう本こそが、僕の「いい本」の定義です。

 

最近ぼくの中でモヤモヤとしていたことが、わかりやすく言語化されてハッとなりました。

 

 

今回のしおたんさん記事は「塩谷のメディアをはじめからていねいに」で書籍化すればいいと思う

 

こんにちは、藤本けんたろうです。

 

一昨日に公開された、しおたんさん記事がすげー面白かったので(読者としてもメディアに興味ある人としても)、まとめておきます!

 

「ライターになりたい!」というニーズが急増する今。労働集約型モデルを、どう変えていく? 

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有言実行。

 

 

目次

  

1.IDENTITYさんの記事広告を依頼するタイミングが秀逸すぎる

 

最初の2項では、記事の中身にはあまり入りません。外側から、褒めまくります。

 

まず、記事の登場人物を見たとき、

「あれそういや昨日から、タイムラインでIDENTITYさんをよく見かけるな」

と思っていたら、リリースしたクラファンプロジェクトの記事広告でした。

 

ちゃんと広報したいプロジェクトから逆算された戦略が、素晴らしすぎます。

 

僕のイメージだと、記事広告って単発の使い方が多いんですよね。「とにかくウチを広めてくれー!」みたいな。

 

でもどうせやるんだったら、今回のIDENTITYさんみたいに、プレスリリースと絡めた方が絶対に効果的です。

 

「あ、こうやって記事広告は活用すればいいんだ」と、すごく参考になるやり方でした。

 

2.記事の構成が秀逸すぎる

 

記事の「タイミング」の次は、「構成」が勉強になりました。

 

記事の最後の告知では、クラウドファンディングの手前に、IDENTITYさんとmilieuさんによる合同イベントの告知がありました。

 

そこでは「イベントの内容は、記事を深掘りしたものだよっ!」というつなぎ方になっていて、これは昨年から定着している「本の無料公開」を想起させました。

 

「イベントではこんなことを話します!今から記事でチラ見せするので、面白いと思ったら来てください!」という、すごくキレイな導線。。

 

記事でも、イベント告知の切り出し方が自然すぎて(どこから逆算されてたんだ…!?)、気づいたら概要欄に到着してました。

 

そして、(恐らく)イベントではもう一度クラファンのPRをするという、何重にも張り巡らされた戦略…!!スゴすぎる...!!

 

3.「好きなこと」を仕事にすると稼げない?

 

ここからは、具体的な記事の中身に入っていきます。

 

まずはやっぱり、「お金」の話。

 

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「好きなことを仕事にしよう!」

という謳い文句が叫ばれて久しいです。

 

「やりたいこと(好きなこと)」と「できること」の二元論で話をするなら、僕も前者派です。

 

ただ、好きなことを仕事にできているがゆえに、「金銭的な対価を積極的に求めない」という事象も発生しています。

 

アニメとか漫画業界も多分、そうですよね。

 

当の本人は「好きなこと仕事にできて、且つ食うのにも困らない生活ができてる!」で満足だとしても、業界として長期的に見たとき、その状況はそれほど褒められたものじゃない...

 

ただ、これは別に今日明日で解決される問題でもないので、代わりにとある記事のURLを貼って終わらせます。

 

「お金を稼ぐマインド」に関する、すごくいい記事です。

 

みなさん、いっぱいお金を稼ぎましょう!!!

 

「お金を儲ける事に遠慮してしまいます」という悩みに対するベストアンサーが秀逸

 

4.「メディア」という言葉の危うさ

 

次は少し違った視点からの、メディア業界の問題点。

 

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(オウンド)メディアって、すごく良いですよね。

 

会いたい人や気になるニュースがあれば、「取材させてください!」の一言で会える(かもしれない)。

 

「オウンドメディアは社交ツールとしても有効ですよね」

 

という、記事中にあったしおたんさんの言葉は、正鵠を射ていると思います。

 

でも僕自身、「取材させてください!」というある意味では魔法の言葉をとなえる度、しおたんさんのとあるブログを思い出すのです。

 

当時すごく炎上したらしいので、あえてタイトルとURLは伏せますが、要は

 

「メディア(受け取り手と発信者の媒体)になれないくせに、メディアを名乗るなー!」

 

という話です。単なる発信者のフォロワーでしかないのに、「取材です」「メディアです」と言って大きな顔をする。

 

いま自分でも書きながら、ものすごく胃が締め付けられてます。(メディアをもつ企業でインターンやってるので...)

 

でもじゃあ、影響力もお金もないメディアが、フォロワーの関係になってしまう方へ取材させてもらうには、どうしたらいいのか。

 

一つの答えは、先日のNewsPicks記事(※有料)にありました。編集者の宇野さんが、すごく良いこと言ってます。

 

『PLANETS』は今ほど知名度がなかった時代から、

結構有名な人が出ていると思うんですが、

それって単に丁寧に熱量の高いメッセージを送って突撃したからです。

丁寧な企画書を送り、

「いい媒体を作ろうと思っています。何とかご出演いただけないでしょうか」

とお願いしました

  

もう最後は、「愛」しかないんです。「時間」と言い換えられるかもしれません。

 

「これだけあなたのことを取材したいんです!」

「これだけあなたのことが好きなんです!」

 

のメッセージに、どれだけの愛と時間を注げるか。

 

これは、まだなんの影響力もお金もない僕が、肝に命じていることでもあります。

(個人的には、もう少しだけ「学生です!」魔法の有効期限も残ってるんですが、あまり酷使したくない…)

 

5.ライター天井がすぐに見えちゃう問題

 

もう少し業界の死活問題を続けます。

 

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項のお題通り、業界の死活問題は「ライターあんまり稼げない問題」です。

 

現状だと、ビジネスモデルとして貧弱すぎるのです。あまりにも労働集約型で、数こなして走り続けないと死にます。でも走り続けたら、死にます。

 

モリジュンヤさんはこの問題を、

「課金ポイントが少ない」

とも換言していました。

 

ここでは、しおたんさんとIDENTITYさんそれぞれの対応策を紹介しておきます。

 

a.しおたんさんの対応策→単価を上げる

 

私は「本数」じゃなくて「SNSで拡散されるだけの質まで上げる」ことに重きを置いたら、

単価が上がっていって、今では記事広告だと、

1記事40万円くらいはコンスタントにいただけるようになって、

個人的にはゆとりが出来たのですが

 

多分、最後の「個人的には」という接頭語には、「再現性が高くないのが難点」という意味が含まれているのだと思います。

 

b.IDENTITYさんの対応策→関わる期間と工程を増やす

 

クライアントと経営目標を共有して、

通年のマーケティングを提案しながら、

長期で関わっていく案件が多いですね。

マーケティング予算を通年でいただいている中で、

記事制作にもお金を使っている

 

記事制作だけでなく、かなり上流から噛んでます。記事中では数千万規模の案件も受けることがあると言われていて、なかなか夢のある話です…!

 

と、ここまではライター、もしくはライターの本業としてメディア単体をいかにマネタイズさせるかについて話しました。

 

次の項では、メディアを活用して、いかに違うマネタイズポイントを作れるか、です。

 

6.ライター(メディア)の稼ぎ方

 

記事に出ていた具体例は、soarさん。

 

メディア自体は募金で運営しているのですが、実はsoarさんのライターは、その専門知識を生かして外の媒体で執筆の仕事を受けたりしています。

 

メディアは意見を主張する場としてピュアに運営し、そこが広告塔になって他から仕事が入ってくる、という循環です。

 

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実際、しおたんさん自身もmilieu自体でマネタイズというよりは、そこを起点にしてvaluやnote、セミナーなどでうまくポートフォリオを組みながらやっている、という内容のnoteを前に読みました。

 

1番いま再現性が高いのは、このやり方かもしれないですね。

 

7.稼いだお金でなにをする?

 

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ここが一番、読んでいて個人的にハッとなりました。

 

ぼく自身、まだまだ発信者として年商2~3000万に収まるレベルにすら到達してないので、そこまで考えが及んでいなかったのですが…

 

仮に好きなことを仕事にして、食うのにも困らなくなった時、その先でどうするのか。

 

ぼく自身はまだ、具体的な想像までできてないのですが、例えばしおたんさんは、milieuというオピニオンメディアを立ち上げ、碇さんやモリさんは法人を作って事業や人への投資に回しているわけです。

 

小乗仏教的な考えでいくなら、ヒソヒソと個人で続けていればよかったものを、労力かけて次の取り組みにつなげているのです。

 

僕もはやく、そこまで視座を上げられるようになります。

 

 

 

...ということで、現状のライターやメディアの抱える構造的な問題から、その模範的な解決策に至るまで、全て詰まっていた今回のmilieuさん記事。

 

状況は刻一刻と変わるのでなんとも言えませんが、マジで今回の内容はメディア業界の参考書になるレベルです。

 

僕自身、今後のキャリアの方向性を考えるうえでも、すごく参考になる記事でした!!!

 

★日々のなかで感じたことをツイートしてます